鬼才ビンセント・ギャロ、阪本順治監督「人類資金」で日本映画初出演!
2013年7月10日 06:00
[映画.com ニュース] 俳優だけにとどまらず監督、ミュージシャン、画家などさまざまなジャンルで活躍する鬼才ビンセント・ギャロが、阪本順治監督、佐藤浩市主演作「人類資金」に出演していることがわかった。
新表現主義の画家ジャン=ミシェル・バスキアとバンドを組んでいたことでも知られるギャロは、1998年に主演・脚本・音楽を兼ねた「バッファロー’66」で監督デビュー。第67回ベネチア国際映画祭では、主演作「エッセンシャル・キリング」(イエジー・スコリモフスキ監督)の演技が評価され、最優秀男優賞に輝いている。
今作では、佐藤扮する主人公・真舟雄一らを追い詰める、ニューヨーク投資銀行のハロルド・マーカスを演じた。佐藤をはじめ香取慎吾、森山未來、観月ありさらとの共演シーンでも、時にアドリブ全開で臨むなど、約11分間のワンカットは緊張感みなぎるものだったという。
阪本監督は、ギャロの起用理由を「彼の監督作品を見て、彼本人を想像した時、純粋ゆえに異端、強い愛着と拒絶、攻撃と自虐、建設と破壊……。相反するものをいくつも自身の中に抱え、常に本当の居場所を求めてさまよう、そんなイメージが浮かび、それが役のハロルドの孤立感と重なり合ったからです」と説明。さらに「撮影は、はじめはお互い手探りで、それこそ撮影現場をさまようこともありましたが、彼の放つ異彩は一気にハロルドの架空性を消し去り、恐れさえ覚えました。心底、ビンセントに感謝しています」とコメントを寄せている。
旧日本軍の秘密基金である“M資金”を題材にした「人類資金」は、金融ブローカーを名乗る詐欺師・真舟(佐藤)が、謎の男“M”(香取)と腹心の部下・石優樹(森山)からM資金を盗み出してほしいという依頼を受け、世界を股にかけて勇躍する姿に迫る。福井晴敏氏の大胆な発想と仮説を元に、M資金はアメリカの財界が関与しているという設定。さまざまな思惑が絡み合うなか、国際金融システムを逆手にとりマネーゲームを仕掛けていく様子を描く。
「人類資金」は、10月19日から全国で公開。