夫婦愛とシニア合唱団の悲喜こもごも描く「アンコール!!」大女優V・レッドグレーブが語る
2013年6月20日 13:00

[映画.com ニュース] イギリスが誇る名優テレンス・スタンプとバネッサ・レッドグレーブが夫婦役を演じ、シニア合唱団がコンクールに挑む姿を描いた「アンコール!!」。頑固な夫を持つが、合唱団の活動を楽しむ陽気な妻を演じるバネッサ・レッドグレーブが撮影を振り返った。
無口で気難しい頑固老人のアーサー(スタンプ)は、笑顔を見せられる相手は最愛の妻マリオンだけ。病弱だが陽気なマリオンは、ロックやポップスを歌う風変わりな合唱団「年金ズ」で歌うことが楽しみで、ある時、「年金ズ」は国際コンクールのオーディションに挑戦することに。しかし、そんな折にマリオンのガンが再発。マリオンの頼みで、アーサーが代わりに合唱団に参加する。合唱団が歌うのは、思わず口ずさみたくなる懐かしいヒット曲の数々。歌姫セリーヌ・ディオンが主題歌を書きおろし、音楽面でも楽しめるヒューマンドラマ。
「合唱団に入っている夫婦と、ジェマ・アータートン演じる、若くて素晴らしい音楽教師の物語よ。彼女は合唱団を特別なものにするために一生懸命で、夫婦にも影響を与える。そんな彼らを映し出した物語」と本作のテーマを説明する。「私の役が老齢年金受給者の合唱団に入っているというのがとても気に入っている」そうで、「とても特別な題材、ストーリー展開よ。3世代を描いているけど、特に年金受給者にフォーカスしているとこも気に入っていて、いわゆる老人はどこにも見られないもの」と語る。
スタンプと熟年夫婦を演じるにあたっての役どころは「マリオンは夫を愛し、アーサーも妻を愛しているけど、あまり表には出さなく、微妙なニュアンスで伝わってくる」と分析し、「多くの夫婦や、多くの女性は、外の人間に対してはうまくやれるのだけれど、結婚生活ではうまくない。でも実際にはお互いに深く愛し合っている。この映画もまさにそうなの」と持論を述べる。
「キャメロット」(1967)やミュージカルオペラの舞台など、これまでも多くの作品で歌声を披露してきた。「昔から歌うのは大好きだった。子供の頃から歌のレッスンをたくさん受けていて、当時グラインドボーン・オーケストラのメンバーで、オペラハウスで指導もしていた優秀なハンガリー人教師から歌のレッスンを受けていたの。(劇中での歌は)私にとってとても胸が躍る体験だったけど、映画の中で歌っている時は、夫に自分の命を捧げるつもりで歌っている。ステキなことよね」と今作での歌唱シーンを振り返った。
「アンコール!!」は6月28日TOHOシネマズシャンテ、7月5日全国で公開。
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