神山健治監督、「009」の各国での反応の違いに刺激
2013年5月22日 10:30

[映画.com ニュース]アニメーション映画「009 RE:CYBORG」のブルーレイ&DVD発売を記念して5月21日、都内劇場で特別上映会が開催された。上映後に神山健治監督が来場し、熱心なファンからの質問に答えた。
石ノ森章太郎の未完の傑作漫画「サイボーグ009」に「東のエデン」「攻殻機動隊S.A.C.」の神山監督が大胆な解釈を加えて映画化。世界中の大都市の高層ビルを狙った爆破事件が発生する中で「人類をやり直す」という“彼の声”に立ち向かうサイボーグ戦士たちの戦いを描く。
この日、劇場に足を運んだ観客のほとんどが、すでに3回以上鑑賞したという人ばかり。公開当時からリピーターの多さが話題となっていたが、この点について神山監督は「想像していなかった」と語る。「石ノ森先生のファンは60歳以上の方も多いし、平成版でファンになった方もいる。作っているときは、どういう層の人が見に来るのか分からなかったけれど、なるべくこれまで見たことのない若い人に見てもらいたいという思いだった」と振り返った。
「神」をテーマにし軍産複合体や同時多発爆破事件など、政治的な内容も含んでおり、この点は監督も細心の注意を払ったという。「神様をどう扱うかということには気を使いましたね。特定の宗教を挙げるのではなく、ぼかしつつ神さまの正体を描きました。政治的な部分に関しては言われているほど過激なものではなく、一般の人でも知ってるレベル。監督が製作中に行方不明になるほどではないですよ(笑)」と語った。
4月にはイギリスでヨーロッパプレミア上映が行われ、さらに5月9日には韓国の25館で上映がスタートしたが、こうした内容について各国のメディアからは日本国内以上に多くの質問が寄せられたという。「特にイギリスはアメリカの同盟国であり、軍産複合体をアニメで扱うというのも珍しいので、かなり突っ込んだ作品と受け止められたようです。でも観客はかなりクールでしたね」と明かす。一方で韓国での反応については「熱烈でした」と興奮気味に述懐。「僕らが20代でアニメにハマった頃を思い出しました。のめりこんでくるように質問してくる熱狂的なファンが多かったです」と語った。
いずれにせよ「過去の『攻殻機動隊』や『東のエデン』のときは割とどの国の反応も同じでしたが、今回は国ごとの反応が違ったことが一番印象深かった」と語るなど、改めて様々な反応を引き出す作品であったことを実感し、大いに刺激を受けたようだ。
なお今回のブルーレイ豪華版には、映像特典に加え、神山監督のストーリーを石森プロ監修の下でシュガー佐藤が漫画化した描き下ろしのコミック「サイボーグ 009 旅立ち編~Setting off~」も封入。監督は「(原作との)27年の空白について描いてあり、原作と映画をつなぐ物語になっている」とアピールしていた。
「009 RE:CYBORG」はブルーレイ&DVDは5月22日発売。
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