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「リンカーン」、D・D=ルイスの決意と探求&スピルバーグが込めた思い

2013年4月18日 12:20

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「リンカーン」撮影中のダニエル・デイ=ルイスと スティーブン・スピルバーグ監督
「リンカーン」撮影中のダニエル・デイ=ルイスと スティーブン・スピルバーグ監督
(C)2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION and DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC

[映画.com ニュース] 4月19日に公開される映画「リンカーン」のメガホンをとったスティーブン・スピルバーグ監督と、第16代米大統領エイブラハム・リンカーンを演じ、第85回アカデミー賞で主演男優賞を受賞したダニエル・デイ=ルイスのインタビューを、映画.comが独占で入手した。

アカデミー賞史上初めてとなる3度目の主演男優賞受賞を果たしたデイ=ルイスだが、オファーを受けた当初は乗り気ではなかったという。「トニー(・クシュナー)の脚本はとても面白かったが、役を演じる上で必要な形でストーリーに引きつけられたわけではなかった」。自分に適した役ではないと思ったうえに、「アメリカにとって偉大な大統領であり、19世紀の最も偉大な人物を冒とくする人にはなりたくなかった」と、責任の大きさに恐れを抱いたと明かす。

その後、ミーティングを重ねても意志に変化はなかった。しかしある時、「自分が一番恐れているものこそ、やらなければならない」と気づいたという。「リンカーンの人生をそっくりそのまま探求できる可能性」に好奇心を刺激され、脚本の下敷きとなるドリス・カーンズ・グッドウィン著「リンカン」を読んだ。改稿が完成する頃には、「断る理由はなくなっていた」と快諾した。

画像2(C)2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION and DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC

役作りの過程で、数多くの文献やリンカーン自身が書き残したものを読み漁ると、「彼の人生がさっと目の前に広がって、すぐに近づくことができる」感覚に驚いたと話す。多くの人が奴隷を人間だと認めていない時代に、「黒人を個人として、また人間として認めていた」進歩的な人物像をとらえ、「奴隷制に最初に触れた瞬間に、リンカーンは嫌悪感を抱いたと思っている。心の奥底で、それは罪深いことだと分かっていた」と分析。こうしてアメリカで現在も愛される大統領が、名優によって形作られた。

南北戦争では、アメリカの他の戦争での死亡者数を合計したよりも多い約75万人が命を落としたと言われている。スピルバーグ監督は、「この映画を見た人々に分かってほしいのは、奴隷制は残虐行為で、南北戦争はアメリカ人が最大の犠牲を払ったアメリカ史上最悪の汚点だったということだ」と語る。

奴隷制を確実に廃止するためには、戦争が終結する前に第13憲法修正案を可決しなければならないと考えたリンカーンは、戦争を長引かせる、つまりさらに多くの人命を犠牲にする決断を下す。自分の手を血で染めながらも、理想を貫き通したリンカーンを「歴史と未来の間の支点となって、未来に影響を与えることができた。その不安定な均衡をとれたところが、彼の天才のたるゆえんだ」とスピルバーグ監督は称賛する。

デイ=ルイスが「この映画の作り方には、排他的な感じがない」と感じたように、スピルバーグ監督は、全ての観客が言葉を理解し、複雑な問題についてこられるように配慮されたバランスで、リンカーン大統領をドラマティックかつサスペンスフルに描き出した。「リンカーンに対する我々の愛と尊敬を表していると思うし、彼が最高のアメリカ大統領だったことを深く信じている気持ちを示している」と、本作に込めた思いを語った。

リンカーン」は、4月19日から全国で公開。

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