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認知症を描くスペインアニメ「しわ」 ジブリ美術館配給で6月22日公開

2013年4月10日 16:10

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老後の問題を描いたスペインアニメが日本公開
老後の問題を描いたスペインアニメが日本公開

[映画.com ニュース] スペインのアカデミー賞と言われるゴヤ賞で最優秀アニメーション賞、最優秀脚本賞を受賞した「しわ」(原題:Arrugas)の日本公開が、このほど決まった。世界各国から選りすぐった名作アニメーションを紹介する三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーの提供で、6月22日から東京・新宿バルト9ほか全国で順次公開される。

スペインの漫画家パコ・ロカが描いた「皺」(第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞)を、スペインの若き実力派アニメーターで、日本のアニメーションから多くを学んだと語るイグナシオ・フェレーラ監督がアニメ化。高齢化社会を迎えた現代で、社会問題としてもクローズアップされている認知症を取り上げ、人が老いや認知症にどのように向き合っていくかというシリアスな題材を、温かな手描きアニメーションの手法でコミカルに、さりげなく描き出す。第29回ゴヤ賞でアニメーション賞、脚本賞の2部門を受賞したほか、教育番組の世界的コンクールとして知られる「日本賞」でも、2012年度グランプリを受賞している。

主人公は元銀行員の老人エミリオ。老いて認知症の兆しがみられるようになり、養護老人施設で暮らすことに。お金にうるさく抜け目のない同室のミゲルや、面会に来る孫のためバターや紅茶をためている女性アントニア、アルツハイマー症の夫モデストの世話を焼くドローレスら、個性的な面々と生活をともにする。そんなある日、エミリオはモデストと同じ薬を処方されていることから、自身がアルツハイマー症であることを知る。

三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーは、高畑勲監督、宮崎駿監督が推奨する作品を中心に、まだ知られてない世界の名作をジブリ美術館がセレクトしていくシリーズで、2007年春の立ち上げから現在まで20作品を配給。「キリクと魔女」「夜のとばりの物語」といったフランスのミッシェル・オスロ監督作や、ロシアのアレクサンドル・ペトロフ監督による「春のめざめ」などを日本に紹介してきた。

高畑監督は「しわ」の日本公開を受け、「『しわ』という作品で、アニメーション映画の持つ可能性がまたひとつ広がった、とわたしは思っています。元になっているコミックスがまずそうなのですが、この映画は、誰もが無関心ではいられないが、そのくせ、できれば目をそらせていたい老後の重いテーマを、勇気をもって扱っています。わたしはひとりの老人として、人間として、そして一アニメーション従事者として、映画『しわ』に心から敬意を表します」とコメントを寄せている。

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