来日したパトリス・ルコント監督が初のアニメ作品を解説 アニメ第2作概要も明かす
2013年3月21日 13:30

[映画.com ニュース] 自身初のアニメーション作品「The Suicide Shop 3D(英題)」の日本公開が決まったパトリス・ルコント監督が来日し3月21日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中の東京国際アニメフェアで同作を解説するトークイベントに出席した。
現在邦題は未定だが、原題は「自殺専門店」を意味するタイトルで、ジャン・トゥーレの同名小説が原作。自殺を手助けする道具を売る陰鬱な一家に、前向きでにこやかな男児アランが誕生し、家族の状況が一変していく様を、美しい映像とミュージカル仕立てで描いた。
ルコント監督は以前から原作のファンだったが、実写映画化するのは不可能だと考えていたという。そんな矢先にプロデューサーからアニメ映画化の話を持ちかけられ、「アニメは大好きですし、私自身も昔漫画を描いていましたので、製作に入ってからは水を得た魚のような気分でした」と述懐する。
登場キャラクターにはミシマ(三島由紀夫)、マリリン(マリリン・モンロー)、バンサン(フィンセント・ファン・ゴッホ)ら自殺した著名人の名前がつけられており、ブラックユーモアあふれる作品だ。「タイトルはある意味ひどいかもしれませんが、自殺を勧めるような映画ではありません。人生は美しく素晴らしいということをこの作品で語っています」とテーマを説明する。
現在、ルコント監督は次回作となる実写映画のポストプロダクション中で、その後は再びアニメーション作品を手掛ける。音楽がなくなった世界を描く「ミュージック」というタイトルになるという。
「音楽がなくなり、禁止された世界を描きますが、映画の中では音楽がふんだんに使われています。主人公は若い女の子、男勝りのショートカットの女の子です。主人公が若い女性なので、私はとてもうれしいです。ちょうど脚本を書き終え、キャラクターも決まりました。これから製作に3年かかりますね」と次回作の内容を明かした。
「The Suicide Shop 3D(英題)」は、9月7日から3D/2Dでヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。
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