真木よう子、歌手に初挑戦!椎名林檎が主演作エンディング曲を書き下ろし
2013年3月13日 06:00
[映画.com ニュース] 女優の真木よう子が、7年ぶりに単独主演を務めた映画「さよなら渓谷」(大森立嗣監督)のエンディング曲「幸先坂(さいさきざか)」で、歌手に初挑戦していることがわかった。作詞・作曲を担当したのは、椎名林檎。かねて親交のあったふたりだが、真木の強い要望があり初めてのタッグが実現した。
真木は、2011年に「TOKYO No.1 SOUL SET」のデビュー20周年を記念した企画アルバムに参加。小泉今日子ら女性アーティストとともに往年のヒット曲のカバーを歌った経験などはあるが、本人名義でCDをリリース(発売日未定)するという、本格的な歌手活動は初めてとなる。
真木と椎名は5~6年前に知り合い、その後は“メル友”として交流を続ける傍ら、ライブに顔を出すなど良好な友人関係を構築してきた。今回、主演作「さよなら渓谷」のプロデューサーから主題歌を歌ってほしいとオファーを受けた真木は、「歌手ではない私が歌うなら信頼できる方とご一緒したいという思いから、『ぜひ椎名さんで』と逆提案させていただき、実現することができた」という。
当初は、“歌う”ことに対して「正直抵抗感がありました」と吐露。それは、真木の今作にかける強い意欲のあらわれといえる。芥川賞作家・吉田修一氏の同名小説が原作で、レイプ事件の被害者でありながら加害者と一緒に暮らし、憎しみと愛情の狭間で揺れ動く主人公かなこという難役を演じきった。共演陣、スタッフと一丸になって撮影した作品だけに、「最後の最後で歌手でもない私が歌うことのプレッシャーが大きくて、責任感や不安がありました。でも歌うと決めたからには頑張ろう、それだけでした」と振り返った。
「幸先坂」は、本編を観賞してから椎名が書き下ろしたそうで、「昔から椎名さんの曲をたくさん聞いていたので、既存曲の中だったら『落日』という曲が合っているんじゃないかなと思っていたのですが、実際出来上がってきた歌は、想像をはるかに超えてきたというか、この作品にぴったりの曲をあげてきてくださったので、椎名さんの才能に改めて驚きました」と最敬礼。レコーディングを終えたいまは、「主人公かなこを演じた責任もありましたし、技術的なことはできないけれど、映画を見終えたお客さんが、まるでかなこが歌っているかのように感じていただければ幸いです」と話す。
椎名は「この映画には、一貫して作為とは無縁の大自然が横たわっていたのです。だから、こちらから提供する素材も、決して調理しないよう気をつけました」と制作意図を説明。さらに、「真木よう子氏も、同じ考えをもって声を出していたのではないでしょうか。初めから終わりまで、圧巻の名演でした。“銘作”の完成、本当におめでとうございます」と称えている。
「さよなら渓谷」は、6月22日から全国で公開。