ペドロ・アルモドバル監督、仏老舗百貨店メンズ館のキャンペーンモデルに
2013年3月4日 20:56
[映画.com ニュース] 仏パリに本店を構えるヨーロッパで最大規模のデパート、ギャラリー・ラファイエットが、メンズ館の新しい顔として、スペインのペドロ・アルモドバル監督を起用することになった。
特にヨーロッパで高い人気を誇るアルモドバルの起用は、監督としての才能はもちろん、個性的なパーソナリティ、アバンギャルドなスピリット、そしてファッションに対する意識やその独自のスタイルを評価したためだという。これまでメンズ館のキャンペーンを務めたモデルには、(男装した)レティシア・カスタや人気作家のフレデリック・ベグベデがいるが、以前からゲイであることをカミングアウトしているアルモドバルの起用は、メンズ館にとって大切な顧客である同性愛者層にももっと訴求したいという狙いもあるだろう。
キャンペーンを担当したのは、長年ラファイエットの広告クリエーションを手掛けているジャン=ポール・グード(バネッサ・パラディが鳥かごに入ったシャネルの香水COCOの広告で知られる)。メインビジュアルは、自分の名前が入ったディレクターズ・チェアの前に白い蝶タイの正装にフロック・コートを羽織ったアルモドバルが立っているという絵柄。そのファッションは、バレエ・リュスの創始者セルゲイ・ディアギレフからインスパイアされたとか。手には次回作「Los amantes pasajeros(原題)」のシナリオを握っている。この新作は、ペネロペ・クルス、アントニオ・バンデラス、ハビエル・カマラら、アルモドバル映画の常連が集合したパニックストーリーのコメディで、ヨーロッパでは3月下旬に順次公開される。
ラファイエットのキャンペーンは3月末に始まり、フランス中が映画の話題に湧く5月のカンヌ映画祭の時期はもとより、夏のセール前まで続く予定だ。(佐藤久理子)