阿部寛、「メモリーズ・コーナー」監督の“キスのスペシャリスト“発言にオロオロ
2013年2月23日 20:56

[映画.com ニュース] 俳優の西島秀俊と阿部寛が2月23日、出演した仏映画「メモリーズ・コーナー」が公開された東京・シネマート新宿で舞台挨拶を行った。舞台挨拶は当初、メイン館のシネマート六本木のみで2回行われる予定だったが、チケット(約260枚)がわずか数分で完売したため、約300席の同館を急きょ追加。仏からオドレイ・フーシェ監督も駆けつけた。
撮影は神戸などで約3年前に行われたため、待望の初日に西島は「監督の純粋な気持ちからスタートした。やっと公開されてありがたいし、本当にうれしく思う」と感無量の面持ち。司会者の「あべしろしさん」という紹介に敏感に反応した阿部も、「仏映画に出られたことで、自分にとって大事な作品になった。全力を注いだ作品です」と自信のほどをアピールした。
フーシェ監督は、阪神大震災が起きた1月17日生まれで、震災の数年後に母親の友人の日本人男性が孤独死をしたことから、この映画を発想したという。満席の客席を見渡し、「映画を見てくれて、ありがとうございます。西島さんと阿部さんの人気のおかげで、多くの人に見ていただけで光栄」と日本語を交え笑顔で話した。
撮影は日仏の混成スタッフだったが、フランス人の挨拶代わりのキスを目の当たりにした阿部は、「監督が日本人の助監督にキスをしたら真っ赤になって、その後みるみるうちに憔悴(しょうすい)していった。それから、日本人にはキスをしてはいけないという伝令が出たという噂を聞いた」とエピソードを披露。「僕は1度もされなかったので、クランクアップの時に監督に自分からお願いしてキスをしてもらった」と照れながら告白した。
すると、フーシェ監督が「阿部さんのキスは特別で、スペシャリストでした」と暴露。これには阿部も「そんないやらしいことはしていませんけれどねえ」とたじたじになって弁解した。
一方の西島は、仏語通訳という役どころのため仏語の特訓を受けて撮影に臨み、「外国語での演技は刺激的で、1個1個の単語の意味を考えながら構築する感じが面白い。日本語の演技の時にもプラスになっている」と手応え十分の様子。「1人の観客として見た時に、アダ(デボラ・フランソワ)と石田(阿部)が国も性別も年齢を超えて悲しみを共有し再生していくシーンにすごく感動した。そういう思いをいろいろな人と話していただけたら幸せです」と訴えた。
阿部にも仏語のセリフはあるものの、「もうちょっと仏語を話したかったなあ」と物欲しげ。そして「○×△□※○×△□※…。サンキュー」と自己流の仏語に英語を入れて話した後、「訳しますと、監督が情熱を持って撮られた作品。人の思いは万国共通なので、何か伝わるものがあるはず」とPRに努めた。
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