阪本順治監督、戦後史最大のタブー「M資金」に挑む!4カ国ロケを敢行
2013年2月7日 12:00

[映画.com ニュース] 社会派作品を多く手がけてきた阪本順治監督が、戦後史最大のタブー“M資金”をテーマにした新作「人類資金」のメガホンをとることがわかった。現代の市場経済をめぐるサスペンス大作で、配給の松竹が2月7日に行われた2013年度ラインナップ発表会でロシア、タイ、アメリカ、日本の4カ国でオールロケによる撮影が敢行されることを発表した。
2005年に公開された「亡国のイージス」でタッグを組んだ阪本監督と原作者・福井晴敏氏が、8年の歳月を経て再び相まみえる。テーマは、戦時中に日本軍がアジア全域から集め秘匿したといわれる金塊、財宝をベースにした秘密基金、通称「M資金」。福井氏のプロットをもとに、阪本監督と福井氏の共同執筆で脚本を完成させた。
M資金の存在はこれまで、長きにわたり噂されてきた。終戦時の混乱期に、大量の貴金属を含む軍需物資が保管されていた日本銀行の地下から無断で流用されていた隠退蔵物事件や、GHQのマーカット少将の指揮部隊が調査・押収に訪れた際に隠匿したとされる事件などが発生。その後はGHQの管理下に置かれ、戦後復興・賠償にほぼ費やされたといわれているが、資金の流れには不透明な部分があり、改めてM資金の存在が噂されるようになる。この噂が根深く信じられてきた背景には、降伏直前に日本軍が越中島海底に隠匿していた、インゴット化された金1200本、プラチナ300本、銀5000トンが、1946年3月に米軍によって発見されるという事件が発覚したことなどが挙げられる。
映画の舞台は2014年。金融ブローカーをかたる詐欺師として暮らす真舟雄一のもとに、「M資金を盗み出してほしい」という依頼を“M”と名乗る男と腹心の部下・石(せき)優樹が持ち込む。真舟は、多額の手数料とともに「成功した暁にはM資金の秘密を教える」という話に興味を持ち、何よりもマネー資本主義というウィルスに冒された現代に対する閉塞感に共感を覚え、計画に乗ることを決断。真偽が定かではないM資金を盗み出すため、Mが考えたプランは、アメリカ、ロシアなど全世界を巻き込んだ前代未聞のマネーゲームだった。
阪本監督は、「私たちは何も知らないに等しい。これは、多くの人々の実感のはず。私たちの人生は、自ら選択したものなのか、それとも、これはなにかのゲームなのか。もし不毛なゲームなら、終わらせるには誰かが動かなきゃいけない。動けば“マネー”との戦いが……。福井晴敏原作を旅程のガイドブックに、まだ見ぬ景色を求めて、私たちは旅を始めます。まだ見ぬ景色……、たとえ幻視であっても、それを提供できるのが映画。ああ、こんな景色があったのか、とひざをポンとたたいていただけるような娯楽作品に仕上げたいと思います」とコメントを寄せている。
また今作は、映画と小説が同時進行していく、新しい形でのメディアミックスを図る完全連動プロジェクト。映画の公開と同タイミングで、講談社から複数巻での文庫書き下ろしとして発売を予定している。撮影は、2月下旬の露ハバロフスクを皮切りに、3月にはタイと日本、4月に米ニューヨークで行われる。撮影時期のハバロフスクとタイの気温差は60度とも言われており、タフな現場になることは間違いない。注目のキャストは、後日発表される。
「人類資金」は、今秋に全国で公開を予定。
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