川島海荷、今後は直球の純愛ドラマ挑戦に意欲
2013年1月12日 06:00
[映画.com ニュース]何となく制服姿のイメージが強い川島海荷だが、もう18歳の大学1年生。いや、“まだ”と言うべきか。すでにキャリアで3本目となるアニメーション映画の声優を務めた「劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影(ファントム・ルージュ)」が、1月12日に公開される。累計発行部数6300万部超を誇る大人気漫画の待望の劇場版第1弾では、ゲスト声優に名を連ねた。「プレッシャーもありましたが、私を選んでいただけたということを自信にがんばろうと思った」と語る川島に話を聞いた。(取材・文・写真/黒豆直樹)
本作は、原作者・冨樫義博が10年前に描いたまま未発表となっていた秘蔵のネーム(構図やセリフ、キャラクターの配置などを大まかに記した原稿)を基にして製作。「これまで漫画を読む習慣がなかった」という川島だが、収録を前に既刊の単行本を一気に読破した。「読み始めるとハマっちゃいました! 『ジャンプ』を毎週買う男の子たちの気持ちが分かりましたね。この作品はアニメも含めて女の子の人気も高いと聞いたのですが、それもなるほどと思いました。登場人物に普通に恋しちゃいそうになりますね」と興奮気味に語る。
川島が演じたパイロは、人気主要キャラクターのクラピカの親友で、彼の過去を語る上で欠かすことのできない大切な存在。川島にとっては初の少年役ということで、演じる前は不安を感じていたという。「緊張しました。『少し低めの声かな?』『でも意識しすぎると……』『いや、どこかでやっぱり男の子の感じを出さないと』とかすごく考えていたのですが、監督が『素でいいからね。作りこまないで大丈夫』と言ってくださって、スッと肩の荷が下りてリラックスして臨めました」と明かす。
3度目(過去2作は洋画の日本語吹替え)の声優ともなると慣れるのでは? と尋ねると「全くないです!」と即答。声優に挑戦する多くの俳優が言うように、声だけで表現しなくてはいけないところにふだんとは違った難しさがあるようで、「ドラマなら『うん』というときに表情も含めて見てもらえて、喜んでいるのか悲しんでいるのか分かるけど、アニメは声だけに感情を乗せないといけないので。ちょっとしたセリフがすごく難しいです」と振り返る。
10代前半で芸能界入り、女優としての活動を開始し、中学3年生のときに撮影された「携帯彼氏」で映画初主演。その後も様々な映画やドラマで経験を積んできたが、「自分の中ではずっと『将来の夢は女優』と言うことに恥ずかしさを感じていました。もう女優をやっているのに(笑)」と意外な思いを明かす。「女優になれるというか続ける自信もなくて、正直、自分で『やりたい』と思って始めたというよりもいろんなきっかけが重なってやるようになった仕事だったので」。
そんな意識が変わったのは高校時代。「厳しい監督にめぐり合うことが何度かあって、もう現場が嫌いになって演技も嫌になりそうだったんです。でも終わったときに『おまえ、成長したな』と声を掛けていただいたのがすごくうれしくて。そう言ってもらえるためにがんばろうって思いました。それから『自分の職業は女優なんだな』と思えるようになって、一歩階段を上がれたのかなと思います」と覚醒の瞬間を明かした。
今後、女優としてやってみたいことについては、「また映画をやりたいですね。特にこれまでやったことのない直球の純愛ドラマをやってみたい」という答えが返ってきた。「先日、『今日、恋をはじめます』を見たらキュンキュンして、『やってみたい!』って思いました。我ながらちょっと恥ずかしい部分もあり、セリフが言えるか不安ですが(笑)、でもあんなふうに見る人を幸せにできる作品にかかわれたらうれしいです」。
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
第86回アカデミー作品賞受賞作。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。