足立正生特集開催 若松プロで2本撮りされたピンク映画「女学生ゲリラ」の裏話語る
2012年12月6日 14:00

[映画.com ニュース]仏前衛監督フィリップ・グランドリューによるドキュメンタリー「美が私たちの決断をいっそう強めたのだろう/足立正生」の公開を記念し、足立正生監督の1960年代の作品を中心に4作品を上映する特集が12月5日、渋谷・アップリンクファクトリーで始まり、足立監督と東良美季氏によるトークイベントが行われた。
この日上映されたのは69年公開、若松プロダクション製作の「女学生ゲリラ」。本作は同年公開された若松孝二監督の「処女ゲバゲバ」とともに2本撮りされた。足立監督は「若松孝二は当時ピンク映画をものすごく量産していて、なおかつ稼ぐのが上手な人。ピンク映画2本請け負っても1本分の製作費で2本作っちゃうというのが彼のやり方。だから、メインの俳優さんは全部同じで、両方御殿場で撮影しました。死んだからぼろくそ言うけど(笑)、めちゃくちゃ上手なプロデューサーだったんです」と語った。
「女学生ゲリラ」は高校生男女5人組が卒業式粉砕のため、学籍簿と卒業証書を盗み出したのち、自衛隊の武器を奪い、山中を根拠地に立てこもる。謎の敗残兵の出現や自衛隊員、学校関係者による様々な妨害、そして仲間割れを経験する高校生たちの姿をエロティックなシーンを交えて描く。足立監督は本作について、「当時は闘争する対象が明確にあった。若い人は反乱するのが当たり前で造反有理をテーマに作りたかった。180万円で作らなければならなかったので、プロのピンク女優はギャラが高く、出る人を集めるのに苦労した」と明かした。
東良氏は、大島渚監督作品をはじめ、映画やテレビドラマで活躍していた俳優の故戸浦六宏さんを父に持つ。足立監督は大島監督の「絞首刑」で俳優として戸浦さんと共演するなど親交が深く、数々のエピソードを披露。「当時新宿にははっきりした文化がなかったけれど、その頃紀伊國屋や東宝のアートシアター新宿ができたりした。僕たちは薄暗い通りで飲んだりけんかしていた、そういう時代。若松プロには若い人がわいわい寄ってきて、若松の名前が運動の場みたいだった。飲み屋の延長みたいだったけど、同時代的に何かを考えられる時代だった」と、若松監督や大島監督らと酒場で激論を交わしていたという当時をしみじみ振り返った。
「美が私たちの決断をいっそう強めたのだろう/足立正生」は公開中。足立正生特集は12月15日まで。
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