桂文枝、仏公演に並々ならぬ意欲 「ワニ」「仲直り」で勝負!
2012年11月29日 15:30

[映画.com ニュース] 12月7、8日に仏のパリ日本文化会館で襲名記念公演を行う六代桂文枝が11月29日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。
文枝は冒頭のスピーチで、自己紹介から始め落語の歴史、大名跡を襲名した経緯などを説明。一節ごとに通訳が入る間にとまどいながらも、「新しい文枝といっても、“新聞紙”じゃないですよ」とジョークを飛ばしてまずは聴衆の心をつかんだ。
その後は、通訳との呼吸もつかんだ様子。「英語は東京で、仏語は大阪に似ているので親近感を持っている。仏の“ノー”は“ノン”だから、“何でやノン”や“ほんまやノン”ってなるでしょう。これ、通訳できるやろうか?」と、茶々を入れる余裕を見せながら持論を展開した。
海外公演はこれまで米ワシントン、ニューヨーク、中国・北京などで経験しているが、「言葉の壁は堅ろうです」と慎重な構え。仏語では「H」を発音しないため、「大相撲巡業で貴乃花、若乃花のアナウンスがタカノアナ、ワカノアナと穴だらけになった」という事例を引き合いに出し、思案を巡らせた。
同時通訳では観客のイヤホンから漏れ聞こえてくる声が気になり、字幕では落ちをしゃべる前に笑われてしまうなどの苦い経験を糧に、初の欧州公演となるパリでは「あまり言葉遊びのない、人間の深層心理に訴える、情愛のある話を選んだ」と、自身の創作落語228本の中から「ワニ」と「仲直り」を選択。公演形態は字幕に決め、「世界共通の感情を入れた落語を一生懸命頑張ってまいります。2作とも非常に泣ける話で、仏の皆さんを泣かせてやろうと思っていますが、聞いたら9割が日本のお客さんでした」と笑いを取りながら抱負を述べた。
外国人記者からの、日本の文化が海外に出て行くための方策についての質問に対しては、「日本では難しいものが高尚だとされているが、それは違う。外国では笑いを大事にしていただけるので、仏の人もおおいに笑ってくれると思う」と笑顔。ただ、国の施策に関しては、名前こそ出さなかったものの「若く元気な大阪の市長」と橋下徹大阪市長をやり玉に挙げ、「上方落語協会への援助、減免もカットされた。もっと大衆の笑いを理解していただきたい。世界遺産といえる文楽には人間国宝が6人もいるのに、落語は1人しかいない。もう少し落語も大事にしていただきたい」と訴えた。
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