堺雅人、新藤兼人賞受賞の「その夜の侍」初日に「皆の心に届いて」とアピール
2012年11月17日 16:37

[映画.com ニュース] 劇団「THE SHAMPOO HAT」を主宰する赤堀雅秋が2007年に発表した舞台を、自ら初監督に挑んで映画化した「その夜の侍」が11月17日、全国28館で封切られた。
赤堀監督は同作で、日本映画製作者協会所属のプロデューサーが選ぶ新人監督賞「新藤兼人賞」の金賞を受賞。東京・有楽町のスバル座で行われた舞台挨拶では、堺雅人、山田孝之、綾野剛、新井浩文、谷村美月の主要キャストと満場の観客から祝福を受け、「できすぎです。もらえるものはもらいますが、すいませんという感じ。すべてのスタッフ、キャストのおかげで評価されたことは自覚しています」と深々と頭を下げた。
もともと「THE SHAMPOO HAT」のファンだったという堺は、「僕も15年ほど前は劇団に所属していて、劇団員としての夢はついえた人間ですが、この物語がフィルムに焼き付けられて夢がかなった、本当に誇らしい気持ちです」と感慨深げ。山田も、「いろんなところで爆発が起こって、ウワッという刺激を受ける作品。何を感じたのかは明確には分からないが、感情がガタガタにされた」と独特の言い回しで監督を称えた。
だが、新井は同賞の銀賞が「ヘルタースケルター」の蜷川実花監督であることを指摘。綾野とともに両作品に出演しているだけに、「両方に参加しているウチらの方がよっぽどすごい」と胸を張った。
ひき逃げ事件で妻を亡くした男が、その犯人に復しゅうを誓うことで人間のあらゆる感情がむき出しになっていく壮絶なドラマとあって、綾野は「食べるのが怖い地獄鍋のような作品を、皆さんにおすそ分けするのは胸が痛む」と表現。堺と山田も撮影を「あまり覚えていない」そうだが、堺は「全体的にトランス状態というか、試写で見ると自分がよく分からない顔をしていた。コントロールできないくらい、かき回していただいたんだと思う。皆さんの心に深く届く作品であってほしい」とアピールしていた。
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