監督&主演のベン・アフレックが「アルゴ」を語る
2012年10月26日 14:00
「実際の事件の映画化にあたって気をつけるべきなのは、リアルに描くこと」と言うアフレックは、「僕たちには事実を伝える責任がある」と、リアリティへのこだわりを強調する。
舞台は1979年のテヘラン。過激派によって占拠されたアメリカ大使館から人質を救出するため、CIAが実際に行った“ニセ映画製作”という珍作戦がプロットの下敷きとなっている。リアリティ性を追求しようと、キャスティングにあたっては「演技力の高さはもちろん、外見が似ていることも重視した」というアフレック。「雑誌や本で本物の人質の写真を見ると、映画のキャストに似ていて驚くはずだよ」と自信満々。しかし、「ヒゲやメガネだけで似せるのは難しい」という限界もあり、「実際に彼らに共同生活をさせることにした」という秘話も紹介している。
「テヘランの大使公邸として建てられたセットに、当時の映画や雑誌、本や衣装を用意した。当時の食品は無理だったけど。そこで彼らは本物の人質のように生活したよ」と明かされる。おかげで「出てきた時には彼らの間に親密さが感じられたよ」と、その成果のほどを語っている。
また監督業と俳優業を兼任することに関しては「その2つの仕事の時間配分に悩まされた」と、苦労を認める一方で「長年、俳優をやっているから現場にいるのは慣れている。兼業するからといって、仕事が増えたとは感じなかったよ」と余裕しゃくしゃく。「多くの俳優は監督的な感覚も持っているからね」と、監督として器の大きなところもうかがわせた。
「アルゴ」は、全国で公開中。