ロバート・レッドフォード、5年ぶり監督作への思いを吐露
2012年9月21日 12:45

[映画.com ニュース] ロバート・レッドフォードが5年ぶりに監督を務めた「声をかくす人」の日本での公開が決まった。「大いなる陰謀」以来のメガホンとなった今作は、リンカーン大統領暗殺事件の裏に隠された、ひとりの女性の秘密に迫る史実に基づく衝撃作。レッドフォードが何を感じ、何を伝えたかったのか、映画.comは貴重なコメントを入手した。
「声をかくす人」は、アメリカ合衆国史上、女性として初めて死刑に処されたメアリー・サラットが最期まで守り抜いた秘密が軸になる。歴史的大事件の解決を急ぐ国家、無実を信じる弁護士の法廷での激しい攻防、強く生きようとする女性が時代の犠牲になっていくさまを誠実に描き出す。弁護士のフレデリックをジェームズ・マカボイ、サラットをロビン・ライトが演じるほか、ケビン・クライン、エバン・レイチェル・ウッドらが出演している。
レッドフォードは、監督を務めることについて「僕にとっては、物語をうまく語ることがすべてなんだ。物語をきちんと伝えたい。観客に対する責任だと思う。それが僕の人生の大きな部分を占めている」と語る。さらに、「いつも興味を抱くのは、物語の下にどんな物語が隠れているかなんだ。物語の中の物語。この作品にもそれがあった」と、今作を製作するにいたった経緯を明かした。
今回の題材については、「僕が興味をひかれたことのひとつが、当時のエネルギーだった」という。それは、「すべてにおいて不安というエネルギーがこの時代にはあった。浮かれ騒ぎ、酒をくみ交わす人々でさえ、根底には恐怖がある。『この平和は続くのか? それとも破綻してしまうのか?』ってね」と説明した。
「声をかくす人」は、10月に銀座テアトルシネマほか全国で公開。
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