声をかくす人 : 映画評論・批評

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声をかくす人

劇場公開日 2012年10月27日
2012年10月9日更新 2012年10月27日より銀座テアトルシネマほかにてロードショー

「殉教者」のようにロビン・ライトを映し出す、穏やかな光

大統領の陰謀」(1976)でウォーターゲート事件を告発した「ワシントン・ポスト」社会部記者ボブ・ウッドワードを演じたロバート・レッドフォードが、監督として「アメリカ政府の陰謀」「正義のあり方」という題材に大上段から斬り込んだコクがあるドラマである。レッドフォード先生のアメリカ史講義みたいな興味深い内容になっており、南北戦争終結間際、1865年4月14日に起こったエイブラハム・リンカーン大統領暗殺事件の裏側を描く。

原題は「共謀者」。物語のヒロインは、暗殺実行犯ジョン・W・ブースの共謀者8名のひとりとされた下宿屋の女主人メアリー・サラット(ロビン・ライト)。母親で、未亡人で、信心深いカトリック教徒で、南軍を強く支持し、かたくなに無罪だけを主張していた彼女は、およそ公正とはいえない軍事法廷で裁かれ、アメリカで初めて絞首刑になった女性だ。物語の語り部は、のちに「ワシントン・ポスト」初代社会部部長を務める、彼女の担当弁護士フレドリック・エイキン(ジェームズ・マカボイ)。元北軍大尉で南北戦争の英雄だった彼は、最初市民一般のような「復讐心」から憎悪や怒りを抱いていたが、やがて彼女の無実を信じるように。彼の心の成長がドラマの大きな原動力になっている。

撮影監督ニュートン・トーマス・サイジェルのキャメラが、19世紀の白黒写真に人工着色で色をのせたような淡い色合いで、穏やかな光をとらえていて美しい。ライト扮するサラットが、まるで「裁かるるジャンヌ」(1927)のルネ・ファルコネッティや「デッドマン・ウォーキング」(1995)のショーン・ペン(彼女の元夫)といった「殉教者」のように映し出されていて、胸に迫る。

サトウムツオ

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平均評価
3.4 3.4 (全13件)
  • おまえがしねくそ長官 おまえがしねくそ長官 ...続きを読む

    タウン タウンさん  2017年7月21日 18:13  評価:4.0
    このレビューに共感した/0人
  • 結局裁判って? 最後の死刑シーンはダンサインザダークなみの衝撃でした。まっビンラディンやフセインも軍事裁判すらせず処刑する国だから不思議ではないが監督ロバートレッドフォードもこう言うのを訴えたかったかもね。さて... ...続きを読む

    エイジ エイジさん  2014年8月4日 23:28  評価:3.0
    このレビューに共感した/0人
  • 演劇向き ずっと曇ったガラス越しみたいな画はなんとかならないか。 作品の色付けとしては無意味で完成もされていない演出だ。 裁判のシーンは常に一定テンポの学芸会を見ている気分になる。 テーマは非常に重みがあ... ...続きを読む

    okaoka0820 okaoka0820さん  2014年2月7日 00:07  評価:2.0
    このレビューに共感した/0人
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