安藤サクラ&井浦新、主演作は“家族の話”と熱弁
2012年8月30日 13:00
監督の実体験に基づいた本作。帰国事業で北朝鮮へ渡った青年が25年ぶりに病気の治療のために両親と妹のいる日本へ帰国する。ぎこちない再会から少しずつ距離を縮めるが、再び国家にひき裂かれる家族の姿をリアリティあふれる描写でつづる。
子どもを持つある母親は「(母を演じた)宮崎美子さんに感情移入した」と語り、安藤と井浦の両親がどんな感想を持ったのかを質問。安藤の母でエッセイストの安藤和津は、「『ヤンさんのサインがほしい』と言っていた」(安藤)そうで、父の奥田瑛二がTwitterでヤン監督に「いい映画をありがとう」とツイートしていたことも明かされた。井浦も「うちの両親は、ふだんは感情移入せずに冷静に見るんですが、僕に妹がいて環境が似ているということもあり、母は珍しく随分泣いたそうです」と語った。
自身も在日コリアンで、北朝鮮に移住した親族がいるという女性は、声を詰まらせながら家族が引き裂かれることへの悔しさや、日本での北朝鮮に対する悪感情への不安を語った。ヤン監督は「北朝鮮に関連する作品はほとんどないけど、タブーというより難しいしリスクがある。私がやるのは誰かがやらなくちゃいけないから」と“使命感”を口にする。そして「私は以前から一貫しているのは、日本を責めないということ。日本を責めるのは日本人がやった方がいいと思うから。いまは特に韓国のアホな大統領がゴチャゴチャやって(笑)、いろんなことが停滞しているけど、最悪なのはお互いを責めること」と強い口調で訴えた。
安藤も、「戦っているけど“反○○”という映画じゃない。監督の『フーッ』ってものを出しただけ!」と熱弁。井浦も「監督と話したのは『これは家族の話』だということ。政治背景があっても描いているのは家族で、そこから自由や不条理が見えてくる」と同調した。
トークは、当初の20分から大幅に時間を延長。井浦は自分の挨拶の時間を削り観客の質問を受け付けた。最後に別れのシーンについて質問が飛ぶと「2日かけて撮影したけど、計算がないまま最後の最後でゴロっと生まれたシーン」と感慨深げ。安藤も「監督はいつも、自分が書いてそれを私たちが食べて“ウンコ”として芝居で出すと言っていたけど、このシーンはウンコを出すんじゃなくて『生まれた』という感じ」と独特の表現で思いを語った。井浦らは、ロビーで即席のサイン会を実施。多くの観客がパンフレットを手に劇場の外まで長蛇の列を作っていた。
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