フランスの新鋭アニメ監督B・レネール、「カリオストロの城」からの影響明かす
2012年6月23日 17:30

[映画.com ニュース] 6月23日、開催中の「20thアニバーサリー フランス映画祭」の一環として、トークイベント「20thアニバーサリー フランス映画祭」@Apple Store, Ginzaが東京・銀座の同所で開催された。今年のカンヌ国際映画祭・監督週間に出品された長編アニメーション「アーネストとセレスティーヌ 」のバンジャマン・レネール監督が来場し、企画始動から完成に至るまでの製作エピソードを語った。
ベルギー出身の女性絵本作家ガブリエル・バンサンの代表作「くまのアーネストおじさん」シリーズの映画化。大きなクマのおじさん・アーネストと小さなネズミの女の子・セレスティーヌの愉快な冒険旅行を描く。
レネール監督は、「オファー受けたのは卒業直後でプロとしての経験は全くなかった。迷いは不安は常にあり、完成した今でも手直ししたいことはたくさん」とデビュー作にかける思いを語った。キャラクターの豊かな表情と淡い水彩画タッチの背景が特徴的だが、「原作の素描のようなタッチを忠実に表現したかったので、キャラクター造形はPC、背景は水彩で紙に描き、最後に組み合わせるという手法をとった。アニメ―ションの部分だけで1年2カ月、フィルム全体には4年半かかった」と振り返った。
また、「宮崎駿や高畑勲の音響などはリアルを追求していて、とても自然で共感するものがある。地下の世界や屋根の上を飛ぶシーンなどは、『ルパン三世 カリオストロの城』にとても影響されているよ」とインスピレーションの源について明かした。
同映画祭では、昨年の東京国際映画祭でサクラグランプリを受賞した「最強のふたり」(エリック・トレダノ監督、オリビエ・ナカシュ監督)、米アカデミー賞主要5部門を受賞した無声映画「アーティスト」で脚光を浴びたジャン・デュジャルダン主演の「プレイヤー」など、幅広いラインナップの長編11作品と短編6作品(1プログラム)を上映。
「20thアニバーサリー フランス映画祭」は、東京の有楽町朝日ホールをメイン会場に24日まで開催中。アップルストア銀座でのトークイベントは25日まで開催される。
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