高橋伴明監督、学生時代述懐し「除籍になったからこそ監督になった」
2012年5月25日 19:30
[映画.com ニュース] 高橋伴明監督が5月25日、東京・早稲田大学大隈講堂で行われた最新作「道 白磁の人」の特別試写会に、主演の吉沢悠とともに出席。早稲田大学を中退した高橋監督は、学生から除籍となった理由を問われると「学生運動に参加して逮捕されたこともあった。授業料も払わない学生だったし、学校の判断は正しかったと思う。身から出たさびですが後悔はしていません」。しかし、かつての母校を訪れ「なにかを学ぶというときに、大学ほど素晴らしい環境はない。しっかりと勉強しておけばよかったかな。でも除籍になったからこそ映画監督になったかな、とも思うので複雑な心境」と吐露した。
今作は。実在の日本人青年・浅川巧が、日本統治時代の朝鮮半島に渡り、民族間の争いが続くなか懸命に荒廃した土地の植林事業に取り組んだ姿を描く。韓国人俳優のペ・スビンが吉沢演じる浅川と親交を深めた李青林に扮した。
撮影を通して映画さながらにペ・スビンと友情を育んだ吉沢は、「本当に馬の合う俳優。親友は国を越えて、言葉は関係なくできるものだと感じた。(ふたりの友情が)真実としてこの映画に入っていると思う」と自信をのぞかせた。そして、「ある作品で出会ってまた一緒にやれるっていうのは、本当に幸せなこと。ふたりとも活躍して、どこかの映画祭のレッドカーペットを歩きたいと話していました」と夢をふくらませた
この日、韓国の留学生による日韓交流について考えるプレゼンテーションが行われた。高橋監督と吉沢は、スピーチを受け「若い世代が行動していることに意義がある」(高橋監督)、「日本人と韓国人が同じことをやっているということは、浅川さんが望んでいたことなんじゃないかな。それって幸せなこと」(吉沢)と真しに語った。
「道 白磁の人」は、6月9日から全国で公開。