役所広司、主演作「わが母」初日に紫綬褒章受章で喜び2倍
2012年4月28日 13:23
[映画.com ニュース] 第35回モントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門で審査員特別グランプリを受賞した「わが母の記」が4月28日、全国223スクリーンで公開。この日、紫綬褒章を受章した主演の役所広司をはじめ、共演の樹木希林、宮崎あおい、南果歩、ミムラ、菊池亜希子、原田眞人監督は、東京・有楽町の丸の内ピカデリー2で舞台挨拶に立った。
役所は、樹木や宮崎ら女性キャストから祝福の花束を手渡され「ありがとうございます。宣伝部が発表を今日にしてくれと言ったわけじゃないんです」と照れ笑い。そして、「これまで仕事をしてきたスタッフ、キャストの皆さん、そして『わが母の記』の皆さんのおかげだと思います」と頭を下げた。今作で母親役を演じた樹木は、2008年に同賞を受章しているが「あら、そうだった? 私が忘れていたくらいだから、忘れて!」と話し、場内の笑いを誘った。
「突入せよ!『あさま山荘』事件」以来となる原田監督とのタッグとなった役所は、「僕も監督も年を取って、新しい作品が撮れた気がします」と手ごたえを感じている様子。それでも、「こんなにたくさんの女優さんに囲まれて、今まで経験したことのないような現場だった。こういう映画を、若い人にも楽しんでもらいたいですね」と客席に語りかけた。
樹木は、「息子がいないので分かりづらかった。でも、こういう息子がいたら、どんどん働かせようと思う」とニヤリ。そんな樹木に対し、南は「お芝居へのアプローチが素晴らしかった。ふっと現場の空気を変える力があって、一生ついていこうと思う」と最敬礼だったが、「あなたは渡辺謙さんに一生ついていって。こっちはやめて~」と“希林節”で切り返され、これには役所も爆笑していた。
文豪・井上靖の自伝的小説を映画化した今作は、“母親に捨てられた”という心の傷を持つ小説家とその母の関係を軸に、家族の絆に迫る。主人公の伊上洪作を役所、母・八重を樹木、伊上の三女・琴子を宮崎が演じ、八重の認知症をきっかけに疎遠だった家族がそれぞれの思いに気づいていく姿を描く。
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