役所広司、アカデミー賞に自信? 「英語のスピーチを練習中」
2012年4月18日 20:01
[映画.com ニュース] 第35回モントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門で、審査員特別グランプリに輝いた映画「わが母の記」が4月18日、東京・有楽町の「日本外国特派員協会」で上映され、主演の役所広司、樹木希林、原田眞人監督が会見した。
文豪・井上靖の自伝的小説を映画化した今作は、“母親に捨てられた”という心の傷を持つ小説家とその母の関係を軸に、家族の絆に真摯に迫る。主人公の伊上洪作を役所が演じ、母・八重を樹木、伊上の三女・琴子には宮崎あおいが扮し、八重の認知症をきっかけに疎遠だった家族がそれぞれの思いに気づいていく姿が描かれる。
役所にとっては、映画「突入せよ!「あさま山荘」事件」(2002)以来となる原田監督とのタッグになるが「10年ぶりに原田監督とご一緒できて、しかも亡くなった母のことを思い出す時間でもありました」と感慨深げに撮影をふり返った。
認知症の老母を演じた樹木だが、現在放送中のCMでも認知症の女性を演じている。外国人記者から、演じる上でのリサーチについて問われると「大ざっぱな役者なのでリサーチはしないんです。(来年で)70歳になるんですが、認知症の役をやりたがる女優がいないので私に回ってきました」とひょうひょうと語り、笑いを誘った。
原田監督によれば、製作費は約2億8000万円。樹木は1時間58分の本編の中で、わずかな仕種や表情で老いを段階的に表現しているが「『鉄の女』のサッチャーのようにメイキャップアーティストを付けて、時間とお金をかけてやっていただくことはできない。撮る順番も(バラバラで)若くなったり、1時間後には老けたり、配慮は一切ないんです」とぼやきつつも、それを逆手に取って様々なアイデアを生かす原田監督の手腕を絶賛。「監督はアクシデントも全て料理してしまう。私もどんな状況でもそれに沿う形で老けていきました」と明かした。役所も、「撮影中の食事は全て弁当。僕たちの体はほとんど弁当でできています!」と自虐的に笑いつつも、誇らしげだった。
モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリを受賞したこともあり、アカデミー賞外国語映画賞への選出の期待も高まる。原田監督は「私はこの業界で好感を持たれていないので」と語れば、樹木も「すでにうちのムコ(本木雅弘)が頂戴しているので、望んでいないというか頭にないです」と消極的。役所だけは、「僕は英語でスピーチができるようにすでに練習中です!」と猛アピールし、場内を笑いに包んだ。
「わが母の記」は、4月28日から全国で公開。
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