吉本・大崎社長が語る、沖縄エンタメ・アイランド構想への本気度
2012年4月1日 04:00

[映画.com ニュース] 第4回沖縄国際映画祭の実行委員長を務める吉本興業の大崎洋社長が、沖縄県にエンタテインメントを学び発信する“地方自治体”「沖縄エンタテインメント・アイランド構想(仮)」について語った。同社に入社した新人当時、仕事で初めて沖縄を訪れて以来、30年近く足を運び続けてきた同所への強い愛情がうかがえる、壮大な計画だ。
大崎社長の脳裏にある“理想郷”は、米ネバダ州ラスベガスのカジノだ。「アメリカでは砂漠に街を作ってカジノが産業として成立しているじゃないですか。沖縄には基地がある。砂漠みたいなもんですよ。そこにエンタテインメント・アイランドみたいなシティ、村を自治体として作りたいんです」。すべては、多くの人に沖縄へ関心をもってもらいたいという思いが、大崎社長を突き動かしている。社長職を辞した後も同構想にかかわり続けることを示唆。「家のローンが26年くらい残っているんです(笑)。次の世代も育ってきているし、長く社長を続けることが良いとは思わない。会社のことは後輩たちに任せて、こっちをやりたいね。実現するまで、一生働きますよ。他にすることないですもん」
沖縄での映画祭が定着したことで地元への経済的な貢献を果たしているが、大崎社長の見据える将来像はスケールが違う。同計画では、あくまでエンタテインメントに特化する形での“共生”を掲げる。「大学を出ていい会社に行って……というのも否定しませんが、中学や高校を卒業してからでもスタートは一緒の職業ってたくさんあるじゃないですか。大学や専門学校では学べないコースを作って、一緒に学ぶ。みんなでワイワイ言いながら、楽しく、でも真剣に。各自がやりたいことを勉強して、でもご飯だけはみんなで一緒に食べるようにしたい。大きな大きな食堂を作って、近所の子どもやおじい、おばあも呼んで、みんなで食事をするような環境を作りたいんや」
構想実現までには、10年間というスパンを考えている。「10年後には吉本にいないと思うけど、まずは今年をスタートの1年にしたいと思うんです。絶対にやってやろうと思ってね」。エンタテインメントというジャンルが、国境の壁を越えてくれることにも期待しているといい「日本の子、中国の子、ベトナムの子が一緒に何かを取り組んで発表し、今までにないものが生まれる。おもろいやないですか。そんなんしたい」と語る眼差(まなざ)しは、どこまでも無邪気な輝きを放っていた。
3月31日には、視察に訪れた枝野幸男経済産業大臣と会談。その後に行われたクロージングセレモニーでは、「経済産業省はお金はないけど、それ以外なら何でも協力すると言ってくれた。映画祭スタッフ、県民の皆さんで歌って踊りながら自分たちで稼ぎましょう!」と語っており、今後の大崎社長、沖縄から目が離せない。
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