来日中のD・フィンチャー「ドラゴン・タトゥーの女」シリーズ化を示唆
2012年1月31日 13:44

[映画.com ニュース] 第84回アカデミー賞で5部門にノミネートされている最新作「ドラゴン・タトゥーの女」を引っさげ、来日中のデビッド・フィンチャー監督が1月31日、都内で主演女優のルーニー・マーラとともに会見した。世界的なセールスを記録するスティーグ・ラーソンのサスペンス小説3部作の第1弾を映画化。残る2作の映画化に期待が寄せられるなか、フィンチャー監督は「まずは本作を多くの、とにかく多くの皆さんに見てもらわないと、2作、3作と続いていかないよ」とシリーズ化の可能性を否定しなかった。
経済ジャーナリストのミカエル(ダニエル・クレイグ)は、40年前に起きた少女失踪事件の真相を探るため、背中に竜のタトゥーをもつ天才ハッカーのリスベット(マーラ)とともに捜査を開始。やがて、少女が生まれ育った資産家ファミリーに隠された驚がくの真実にたどり着く。マーラが主演女優賞候補に挙がるほか、編集賞、撮影賞、録音賞、音響編集賞と計5部門でオスカー候補となった。
原作の故郷であるスウェーデンでは、すでに「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」(2009)を皮切りに、映画3部作が完結しているが、「1作目を一度見ただけ。私自身は原作を読んで感じたことを忠実に映像化しようと試みた」(フィンチャー監督)。心がけたことは「何かをクリエイトすることよりも、原作をいかに解釈するか」だといい、「さまざまな要素をふるいにかけて、砂金だけを残すような作業だった」と“引き算の演出”を語った。あえてスウェーデンでの撮影にこだわった理由を「天候に左右されることも多かったが、独特な環境がキャラクターに及ぼす影響を外すわけにはいかなかった。現地ならではの利点? 現場に大量の雪があったよ(笑)」と説明した。
「ソーシャル・ネットワーク」で主人公の恋人を演じたマーラは、謎に満ちた天才ハッカーという役どころに「どう演じたらいいか考えたけど、実際には共感できる部分多かった。つまり、人生の中で誤解されたり、のけ者にされたりする疎外感ね。きっと誰しもそういう経験をしているんじゃないかしら」。リスベット像はフィンチャー監督をはじめ、衣装やメイクを手がけるスタッフとの「コラボレーションのたまもの」であり、「何より原作が一番のベースになっているの」と、こちらも原作への敬意が最優先。シャイな性格で、会見中も言葉少なげ。それでも、オスカー候補を機に注目を浴びる現状に「そういうことはあまり気にしない。自分なりの生き方を貫きたい」と強いまなざしで語った。
「ドラゴン・タトゥーの女」は、2月10日から全国で公開。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
ナイトフラワー
【衝撃の感動作】昼、母親。夜、ドラッグの売人――大切な人のためならどこまでも頑張れる。
提供:松竹
面白すぎてヤバい映画
【目が覚める超衝撃】世界中の観客が熱狂・発狂し、配給会社が争奪戦を繰り広げた“刺激作”
提供:松竹
この冬、絶対に観る映画はありますか?
【私はこれを絶対に観ますね!!】心の底から推す理由が、たんまりあります!
提供:ディズニー
人生にぶっ刺さる一本
すべての瞬間が魂に突き刺さり、打ち震えるほどの体験が待っている。
提供:ディズニー
日本で実際に起きた“衝撃事件”を映画化
【前代未聞の事件】そして鑑賞後、あなたは“幸せ”の本当の意味を知る――
提供:KDDI
なんだこの天才的な映画は!?
【物語がめちゃくちゃ面白そう――】非常識なまでの“興奮と感動”を堪能あれ
提供:ディズニー