染谷将太&二階堂ふみ“最優秀新人俳優賞”トロフィーと初対面
2011年12月22日 20:03
[映画.com ニュース] 園子温監督の最新作「ヒミズ」の完成披露試写会が12月22日、都内で行われ、園監督をはじめ、染谷将太、二階堂ふみ、渡辺哲、でんでんが舞台挨拶に立った。染谷と二階堂のふたりは、第68回ベネチア国際映画祭で最優秀新人俳優賞にあたる「マルチェロ・マストロヤンニ賞」をそろって受賞。この日は受賞後、初めてトロフィーと対面し「感無量。これからも頑張ります」(染谷)、「感謝でいっぱいです」(二階堂)と喜びを新たにしていた。
“普通の大人”になることを願う15歳の少年・住田祐一(染谷)は、心ない言葉を浴びせる父親を衝動的に殺害。残りの人生を悪党裁きに費やすことを決意する。そんな祐一を茶沢景子(二階堂)は救おうと奮闘するが……。原作は「行け!稲中卓球部」で知られる古谷実がギャグを封印して送り出した異色コミック。東日本大震災を受けて原作とは異なる結末を用意し、実際に被災地でも撮影が敢行された。園監督は、「原作は2001年当時のリアルを描いたもの。映画化するなら、2011年のリアルを描いたほうが、原作のもつスピリットに準ずることができると思った」と振り返った。
主演を務める染谷は「はたから見れば戦場のような現場だったが、僕自身は苦しいとは思わなかった。今考えてみると痛かったが、心に響く痛さだったので、演じていて楽しかった」と述懐。劇中、染谷演じる祐一に暴力を振るう役どころのでんでんは、「テストを重ねるたびに目が輝いていくんだよ。甲子園を勝ち進むうちに、強くなっていくチームみたいな感覚」と染谷に太鼓判を押し、「もっと大きく羽ばたいて、世界に進出してほしい。そのときは、おじさんも連れていってね」とエールをおくった。
一方、二階堂は「いい意味でピリピリした現場。最初のリハで監督から(演技に対して)4点、次に12点を付けられた。でも監督が『頑張れば、レッドカーペットだって歩けるんだぞ』と言われて」。それだけに、実際に園監督と染谷とともにベネチアのレッドカーペットを歩いた際は「しみじみしました」と感慨深げ。渡辺は「撮影中はひどい目にあっているから、本当にかわいそうだなと思った」と二階堂を気づかった。
「ヒミズ」は2012年1月14日から全国で公開。