堺雅人、故郷・宮崎で“初仕事” 「ひまわりと子犬の7日間」に主演
2011年11月17日 06:00
[映画.com ニュース] 俳優の堺雅人が、実話をもとにした犬の親子と管理所職員の絆(きずな)を描いた映画「ひまわりと子犬の7日間」(平松恵美子監督)に主演することがわかった。ロケ地となる宮崎は、堺にとって生まれ故郷となるだけに「18で上京しましたが、故郷の人間を演じるのは初めてのことです。幼いころからなじんだアクセントで芝居をすることは、長年の夢でした」と並々ならぬ意欲で撮影に臨んでいる。
「クイール」「きな子」など多くの動物映画を手がけてきた松竹が、テレビ東京系「ポチたま」や日本テレビ系「ザ・世界仰天ニュース」で紹介された実話を、満を持して映画化する。山下由美の「奇跡の母子犬」が原案。動物管理所に収容され、7日後に殺処分を控えた母犬ひまわりは、3匹の子犬を守ろうと人間を威嚇(いかく)する。通常、親子で保護された場合、緊迫した状況に驚いた母犬は子犬の面倒を見なくなるという。ひまわりの必死な振る舞いに心打たれた職員(堺)らが起こした奇跡を描く。
宮崎が舞台の作品と聞き、「一も二もなく飛びついた」という堺は「中年にさしかかった今、こうしたお仕事をいただいたことは、俳優としてもなにか意味があるような気がしています」と語る。さらに、昨年同県で発生し甚大な被害をもたらした口蹄疫についても言及。「自らの手で大切に育ててきた命を終わらせなければならない日々は、本当に辛かったと思います。また、今年は東日本大震災もありました。そうしたこともあり、この仕事は僕にとって『命と向き合う』作業になるのではないかとも思っています」と覚悟もにじませた。
また、獣医の五十嵐美久役として、中谷美紀の出演も決定した。堺との共演は、滝田洋二郎監督作「壬生義士伝」以来。中谷は、「市井の人を魅力的に演じるという、一見簡単そうでとても難しいことをサラリとなさる方という印象があるので、共演を楽しみにしています」とコメントを寄せた。堺も、「生まれ育った土地にお迎えするような照れくささも感じますが、彼女の精魂こめた力強い演技を間近で見られることを、本当に楽しみにしています」と“再会”を心待ちにしている。
山田洋次監督のもとで脚本家、助監督として経験を積んできた平松監督は、「武士の一分」「おとうと」などで日本アカデミー賞脚本賞を受賞。今作にかける思いを、「映画業界に入って20年近くになりますが、映画を好きになった頃の気持ち、大船撮影所や山田監督から学んだ『思い』のようなものを、映画における『愛情の連鎖』として、スタッフのみんなと一緒になってこの作品に投影できたら、きっと素晴らしい作品になるはずだと思っています」と話し、全力投球を宣言した。
「ひまわりと子犬の7日間」は、2013年春に全国で公開。
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