泉谷しげる、清志郎さんとの「デスパウダー」撮影秘話を吐露
2011年9月30日 16:45

同作は、泉谷が監督、脚本、美術、出演など1人7役を務めて完成させた思い入れの強い作品。佐藤浩市、夏木マリのほか、故忌野清志郎さん、故景山民夫さん、村上里佳子が出演。売れない画家のハリマ(泉谷)のもとに、女ロボットのゲルニカ( 夏木マリ)が預けられることで生まれるヒューマンドラマで、アクションやホラーも盛り込まれたSF作品だ。
泉谷が自ら手がけた絵画が美術として使われているほか、忌野さんが音楽を担当するなど、公開時も話題を呼んだ。しかしDVD化されておらずカルト的作品とされていたこともあって、上映会には地域のファンが駆けつけた。
「日本を地方から元気にしよう」と全国各地でライブやイベント活動を行っている泉谷が、映画祭の主旨に賛同したことが上映のきっかけ。「米子映画事変から招待を受けたとき、地域復興のためなら、ぜひ参加したいと思ったんだ。でも映画祭のイベントなら、ぜひオイラが撮った映画を上映してよってお願いしたんだよ」。
撮影現場は、当時暮らしていた自宅だったそうで「壁に絵を描くわ、スモークたくわで、家族からは、えれえ嫌われちゃってね。でも監督ってこんなに大変なのかと思った。いやあ、死にましたね、徹夜、徹夜で。映画はドラッグだな。やり始めるとはまっちゃって、倒れるまでやっちゃうから、あれ以来周囲に止められています」と笑う。
同作のテーマは、「人の滞在意識の恐怖やその真影」。着想は、「“人はみんなもともと発狂していて、それを常識や理性でコントロールして生きている”ということをどこかで読んで、なるほどと思った。80年代の東京を舞台に、そのバランスのあやうさを描きたかったんだ」。そのため、泉谷は撮影中、出演者全員に『自分自身にとっての滞在意識は?』と聞いて回ったという。
なかでも忌野さんの答えが興味深かったといい、「あいつ、なんて言ったと思う? 一言、『昆虫』って言うんだよ! 『何なんだよ、昆虫って!?』と聞いたら、虫のように地をはって世界を見ているという感覚らしいんだな。その答えが面白かったから、カメラワークは全編通じて俯瞰(ふかん)する引きのショットって、ほとんどないんですよ。全部人間の目線で撮っている。いま改めて見ると、当時好きだった『ブレードランナー』に影響されているなあ」と感慨深く振り返った。
今後のDVD化については、「少し前まで考えていたんですよ。でも清志郎が他界したこともあり、しばらくは難しいだろうな。金もうけにはしたくないし」と寂しそうにつぶやいた。
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