「ゴーストライター」で火花を散らす2人の女優に要注目
2011年9月10日 15:39
[映画.com ニュース] ロマン・ポランスキー監督作「ゴーストライター」(公開中)に出演するキム・キャトラルとオリビア・ウィリアムズの演技が話題になっている。
同作は、元英国首相の自伝執筆を依頼されたゴーストライターが、原稿を書き進めていくうちに元首相の過去に違和感を抱きはじめ、やがて前任者の不可解な死に行き当たるというサスペンス。ゴーストライター役をユアン・マグレガー、元英国首相アダム・ラングをピアース・ブロスナンが演じている。
キャトラルは元首相の専属秘書アメリア・ブライ、ウィリアムズはアダムの妻ルース・ラングに扮し、いずれも物語の鍵を握る重要な役どころを担っている。キャトラルは「セックス・アンド・ザ・シティ」の豪胆なサマンサ役で知られているが、今作ではアダムを窮地から救うために献身的に働く、健気な女性を演じている。
キャトラルは、「アメリアはアダムの仕事も人柄もとても高く評価しているから、彼を無条件にサポートする。だから彼が取った行動についても、唯一彼女だけが“この不公正な状況の中では仕方がなかった、正しい判断だった”と信じているの」と語る。不審死した前任者が書いた伝記の原稿を必死で守りぬくアメリアの姿は、その裏に潜む大きな秘密の存在を予感させる。
そして、ルースはアダム以上に政治に詳しく、野心的で歯に衣着せぬ物言いをする。ウィリアムズは「(アダムは妻と秘書の)どちらにも愛情を持っているんだけど、政治のせいでその思いが複雑になっているのね。なぜならルースは、自分のすべてを夫に捧げることはできないから」と分析。ウィリアムズ自身はブロスナンの魅力にはすっかり参ってしまったらしく、「ピアースは信じられないくらい格好いい人よ!」と絶賛している。
ゴーストライターを間に挟んで、静かに火花を散らす2人の女優のぶつかり合いは見応えたっぷり。「ゴーストライター」は、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか首都圏で現在公開中。全国順次公開予定。