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「わが母の記」モントリオール受賞 原田監督&役所広司が歓喜の会見

2011年9月2日 15:03

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トロフィーを手に笑顔を浮かべる 役所広司と原田眞人監督
トロフィーを手に笑顔を浮かべる 役所広司と原田眞人監督

[映画.com ニュース] 第35回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門で、審査員特別グランプリを受賞した「わが母の記」の原田眞人監督が9月1日、主演の役所広司とともに京都市の大江能楽堂で会見した。

受賞した心境を問われた原田監督は、「海外の映画祭からの招待の話もあり、これから観客の声をじかにきける機会がたくさんあると思います。公開時には日本の観客の声もたくさん聞きたい、観客の声こそが私にとっての本当の“賞”だと思っています」と喜びをあらわにした。

現在、原田監督と役所は同作と連動したテレビドラマ「初秋」を撮影中。代表して映画祭へ出席した原田監督の長男・原田遊人氏から、「審査員特別賞ゲット」と受賞報告のメールを受け取ったという。映画祭に飛び入り参加した樹木希林からも、「喜びなさいよ! 大きい賞ですよ。(紹介されたのが)最後から2番目ですよ」と祝福の電話があったことを明かし、「1番気になっていたのが観客の反応だったのですが、素晴らしかったという話を聞いた時点で涙が出てきました」と述懐した。

一方の役所は、「言葉は通じなくても母親を思う気持ちと、母親と心が通じあう喜びというのは、きっと世界的に共感してもらえるところだと思っていました」と感慨深げだった。

東日本大震災が発生した3月11日、原田監督は前日にクランクアップした同作の編集作業にあたっていた。震災を振り返り、「日々テレビで流されるニュースを見ながら涙を流していました。その思いがこの映画にもこもっていること思います。未曾有(みぞう)の大災害から立ち上がる中で必要なのは、家族のきずなだと思います」と話す。

「『わが母の記』は心のケアになるような映画」だという役所も、「映画をつくっている人間として、この映画を通して震災にあわれた方にも元気を届けられたら。そして、これからもそんな思いを意識してつくっていきたい」と真しに語った。

「井上靖先生とお母様の関係がすばらしい」と原作の魅力に言及した原田監督は、「憎んでいたけど、一方で愛を持っていた。その憎しみと愛の深さがこの作品を生み出した。母親との関係がすべての創造の根源だと思います」と分析。そして「母の力、母の魅力、その源に触れたかった、それが今回の映画です。観客のみなさんもこの映画から家族、母親、その子どもたちとの関係を考えてもらえたら」とアピールした。

10年間にわたる親子のきずなを描いた、文豪・井上靖の自伝的小説「わが母の記~花の下・月の光・雪の面~」を映画化。役所、樹木をはじめ、宮崎あおいら実力派俳優が出演している。

わが母の記」は、2012年全国で公開。

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