チェコのシュルレアリスト、シュバンクマイエル監督が来日!
2011年8月27日 16:34

[映画.com ニュース] チェコのシュルレアリストでアートアニメーションの巨匠、ヤン・シュバンクマイエル監督の「サヴァイヴィング・ライフ 夢は第二の人生」が8月27日、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開初日を迎え、チェコから来日したシュバンクマイエル監督が舞台挨拶を行った。
人形や粘土を用いた独特の立体アニメと実写を融合させた映画や、舞台美術、アートなど幅広い分野で活躍し、稀代のシュルレアリストとして知られているシュバンクマイエル監督。「自分のことを映画監督だと捉えたことはありません。芸術を表現するのに、方法は関係ない」と話し、「私はある種の執着にとらわれていて、それが無くならない限り創作を行います。それは尽きない自己セラピーだと思う」と、77歳となった今なお、今後の芸術活動に更なる意欲を見せた。
前作「ルナシー」以来5年ぶりに手がけた本作は、実写と写真を組み合わせたカットアウトアニメで、夢の世界で理想の美女とともに過ごし、目が覚めると妻との現実の生活を送る男が、自分の意思で夢に入る方法を見つけ、精神分析医とともにその夢の意味を探っていく。
シュバンクマイエル監督にとって夢とは?との質問に「夢ではお金を稼げないと、今の文明は夢と現実を完全に二分してしまった。夢を軽視することによって、人生を貧しくしてしまっている。夢は純粋な想像力、芸術家にとって創造力の源」と持論を展開。本作では、ノバーリス、アンドレ・ブルトンら詩人や芸術家の夢に関する思想を引用したと明かした。
作品のテーマである、母親と息子との関係性について「男が本当に成人するのは、母親が死んでから」というチェコの格言を紹介し、「この映画は想像力を要する映画で、皆さんはいろいろと解釈すると思いますが、そのすべてが正しいと言えます」と観客に語りかけた。
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