庵野秀明「プロデューサーは楽でいい」
2011年7月24日 11:06
[映画.com ニュース] 庵野秀明が初の実写映画プロデュースを手がけた「監督失格」(平野勝之監督)の公開を記念したトークイベントが7月23日、東京・池袋の新文芸坐で行われた。庵野は「プロデューサーは楽でいいなって思いました。お金のことはともかく、内容に責任を取らなくていいし、言いたい放題。監督のほうが数10倍大変ですよ」と発言。その上で「今まですべてをひとりでこなしてきた平野監督に、別のやり方で新しい場所に行ってほしい、変わってほしいという気持ちがあった」と、プロデュースを買って出た理由を説明した。
2005年に34歳という若さで急逝した女優・林由美香を題材にしたドキュメンタリー。林さんの元恋人である平野監督が、ふたりの約15年間にわたる記録と、林さんの死後に新撮した映像を通して、自身の喪失と再生に向き合う姿が赤裸々に描かれる。平野監督にとっては、11年ぶりの新作。これまで複数の企画がとん挫してきただけに、「10年、20年かけてやっと1本完成するような作品。僕のことは嫌いになっても、由美香のことは好きになってもらえるはず」と自信をみなぎらせる。
しかし、完成までの道のりは「最悪でしたね」(平野監督)。一方の庵野は「撮り終えた後で、とやかく言われる状況をあえて作った。平野さんは追い詰めてなんぼなんで、いろいろと作戦を組んだ。僕も編集にはずいぶん口を出した」と述懐。これには平野監督も「それはわかっていたけど……」と苦笑いを浮かべていた。
トークイベント後には「へたな鉄砲も数うちゃあたる!」「じょうぶなタイヤ!」(監督:庵野秀明)、「GUST」「狂った触覚」(監督:平野勝之)といったふたりの自主映画時代の作品がオールナイト上映された。
「監督失格」は、9月3日から東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで独占先行公開。
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