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宮崎吾朗「しばらくファンタジーから離れる」ジブリの今後を語る

2011年7月8日 20:42

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高校生限定試写会に登場した宮崎吾朗監督
高校生限定試写会に登場した宮崎吾朗監督

[映画.com ニュース] スタジオジブリ最新作「コクリコ坂から」の高校生限定試写会が7月8日、物語の舞台である横浜市にある神奈川近代文学館で行われ、メガホンをとった宮崎吾朗監督が川上量生氏(ドワンゴ代表取締役会長)とともにトークショーに出席。吾朗監督は「しばらくファンタジーから離れると思う」とジブリの今後の方向性を語った。

デビュー作「ゲド戦記」以来5年ぶりの監督作は、「なかよし」(講談社刊)で1980年1~8月号に連載されていた少女漫画が原作。1963年、平凡な女子高生の海(長澤まさみ)は、新聞部の風間俊(岡田准一)や生徒会長の水沼史郎のペースに巻き込まれながら、高校の文化部部室、通称“カルチェラタン”の取り壊し反対運動に乗り出す。やがて海と俊はひかれあうが……。企画・脚本を父親の宮崎駿が手がける。

吾朗監督は「もらったシナリオが実写っぽい設定だったし、普通の女の子にしたかったから、海ちゃんは丸顔で首も太くてがっしりした体格だった。そしたら、宮崎駿に『ヒロインはこんなんじゃダメだ。もっとかわいく描け』って言われて(笑)」とデザイン変更を余儀なくされた経緯を述懐。高校生の淡い恋模様とともに、親子2代の物語も描かれており「僕の親は宮崎駿ですからね……。これはもう、生まれの運命を受け入れるしかない。そこから出発している部分も大きい」と胸中を語った。

ある女子高生から今後のジブリの方向性を質問され、「ファンタジーが作り尽くされている時代。それに大震災という現実を前にすると、生半可なファンタジーは作ることができない。しばらくは現実に軸足を置いた作品作りになるのでは」。60年代と現代の高校生を比較し「内にもっている熱いものは、時代が違っても変わらないと思う。違うのは表への出し方だけ」とエールを送った。

コクリコ坂から」は7月16日から全国で公開。

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