“アニメ界の至宝”フレデリック・バック緊急来日、高畑勲の決断に感謝
2011年7月1日 16:18

[映画.com ニュース] アカデミー賞短編アニメーション賞を2度受賞している、カナダ在住のアニメーション作家フレデリック・バック氏が6度目の来日を果たし7月1日、「フレデリック・バック展」のオープニングセレモニーに出席した。最新作「コクリコ坂から」の公開を控えるスタジオジブリが企画を担当する同展は7月2日から、東京・江東区の東京都現代美術館で開催される。
直前まで難しいと思われた来日が、バック氏本人たっての希望で実現した。現在87歳で車イスに乗ってのセレモニー出席となったが、その表情はハツラツとしたもので「東日本大震災の被害が残るなか、皆さんとこの展示会を共有できることは、感動的であり光栄」と感無量の面持ちだ。隣に座るスタジオジブリの高畑勲監督に対し、「あなたの言葉と決断があったからこそ、(展覧会の)実現は動き出した」と感謝の意。そして、「美しくももろい生命が息づくこの世界が、さん然と再生することを祈ります」と日本にエールを捧げた。
バック氏の展覧会としては世界最大規模となる同展。1920年代から現在までに描かれた原画、スケッチ、コンセプトアートなど約1000点を通して、バック氏の波乱万丈の人生をたどる。高畑監督は、約30年前に出合ったバック氏の作風を参考に「ホーホケキョ・となりの山田くん」を製作し、バック氏を師と仰ぐほど。「まず、ご本人がここにいることが夢みたい。感謝しかない。バックさんを紹介する機会を熱望していたが、これほど充実した展示になるとは。大きな喜びです」と最敬礼。「未曾有(みぞう)の被害を受けた日本が、どのような道を歩むべきか。バックさんの作品が大きな示唆を与えてくれる」と氏の芸術性を称えた。

セレモニーには同展の音声ガイドを担当した女優の竹下景子、バック氏の長女で「アトリエ・フレデリック・バック」副代表のスーゼル・バック=ドラボーさんが来場。スーゼルさんは、「今回、自分の仕事が大きな森になったことを確認できる機会となり、父への最良のプレゼントになった。家族一同、感動している」と誇らしげな表情を浮かべた。
バック氏は人間と自然のかかわりと環境問題をテーマに、数多くの作品を発表し、「木を植えた男」「クラック!」で2度のアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞。高畑監督や宮崎駿監督に大きな影響を与えたアニメーション界の“至宝”だ。展覧会開催に合わせて、バック氏の9作品を高畑監督の監修で収録したDVD「木を植えた男/フレデリック・バック作品集」を、三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー最新作として7月20日から発売するほか、東京・神保町シアターで「木を植えた男」など4作品を上映する。
「フレデリック・バック展」会期は、7月2日~10月2日、開館時間は午前10時~午後6時。
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