「さや侍」松本人志監督、実母の「3回見た」メールに照れ笑い
2011年6月18日 22:23
[映画.com ニュース] 「ダウンタウン」の松本人志が6月18日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで、監督3作目となる「さや侍」の上映後に観客とのティーチインを行った。笑いと涙で描く本作に「笑いのメカニズムは本当に難しい」。また、相方・浜田雅功について「ツッコミは警察のようなもの」と持論を展開。「警察って絶対必要な存在だが、もし平和だったらいらないもの。それと同じで、語弊はあるが見る側の笑いのレベルが高ければ、ボケだけで成立するから、ツッコミは入らない。もちろんツッコミに助けられているし、浜田がいなければ(ダウンタウンは)売れなかった」と約600人の観客を前に、お笑い論を熱弁した。
監督デビュー作「大日本人」が、米大手スタジオのコロンビア・ピクチャーズによりハリウッドリメイクされる件について「僕自身はまったく浮かれていない。むしろ皮肉やなあと思う」。同作は“大佐藤”という名のヒーローが、周囲の理解や協力を得られぬまま、たったひとりで日本の平和を守るストーリーで、劇中でアメリカからやって来たスーパージャスティスというヒーローに手を差し伸べられる。
「スーパージャスティスって、要はハリウッドなんですよ。公開当時は日本で批判もされたが、最終的にハリウッドからリメイクの話が来るなんて」と因縁めいた経緯を説明。「『大日本人』に関しては、今もまったく後悔していない。あんなエゲつない終わり方できる、あの勇気」と胸を張った。
また、6月19日の父の日を前に「娘さんに作品を見てほしいか」と質問されると、「もちろんそうですけど、改まって娘に捧げるとかじゃない。それよりも皆さんに見てほしいんですよ。娘は娘で大きくなったときに勝手に見るでしょうし」。一方、実母から「立て続けに3回見た」とメールが入ったといい、照れくさそうな表情だった。ティーチインには、主演の野見隆明と子役・熊田聖亜も出席した。
脱藩した罪で囚われた侍・野見勘十郎(野見)が、母を亡くした若君の笑顔を取り戻す“30日の業”に処せられることに。刀を捨て、さやだけを手にした勘十郎が一人娘のたえとともに、命がけのチャレンジに臨む姿を描く。6月11日から全国216スクリーンで公開。8月3日にスイスで開幕する、第64回ロカルノ国際映画祭へ出品される。
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