三池監督「一命」カンヌで評判上々 仏紙「海老蔵は主演男優賞」
2011年5月22日 18:49
[映画.com ニュース] 第64回カンヌ映画祭のコンペティション部門に正式出品された、三池崇史監督の「一命」が、現地メディアを含む各紙で好意的に受け止められている。仏リベラシオン紙は、「市川海老蔵は、現代の歌舞伎界で最も活躍する役者のひとりで、彼の出す自然な気品さは充分に主演男優賞をとるに値する」と絶賛している。
リベラシオン紙のほか、米ハリウッド・レポーターは「本作の3D効果によって提供される観賞体験は、より深い奥行きとリアルな鮮明さにある。着物のほつれた糸、雪片、紅葉で真っ赤に輝く木々など、物体が鮮やかに描かれている」と日本的な3Dの手法に感嘆。さらに、米バラエティ紙も「静かで気品があり、複雑に絡んだ話が劇芝居的な雰囲気を与えており、観客に作品の根底を流れる政治的・道徳的なメッセージについて深く考えさせ、問題提起をうながすことに成功している」と称えている。
「一命」がカンヌでお披露目されたのは、5月19日(現地時間)。滝口康彦の原作「異聞浪人記」を、海老蔵と瑛太のダブル主演で映画化したもの。家族に対する深い愛情ゆえに武家社会に歯向かう浪人の物語で、62年に小林正樹が「切腹」として映画化し、カンヌで特別審査員賞を受賞した経緯がある。
だが今回の三池作品は“リメイク”ではなく、あくまで原作をもとにしたもの。ストーリーラインは同じだが、ディテールに大きな違いがある。上映中は、瑛太扮する若い浪人の切腹シーンでどよめきが起こったが、最後は熱いスタンディングオベージョンで迎えられた。
カンヌはすでに体験済みなものの、今回初のコンペ参加を果たした三池監督は公式上映を終えて「お客さんにじんわりと確実に響いた印象がある。拍手がとても温かく優しい感じがした。3Dの上映環境も素晴らしく、とても満足できた」と語った。三池監督の海外でのイメージは、依然バイオレントな映画を作る監督という印象が強いなか「今回(見せる)環境が変わったことで見られ方も変わったと思う。カンヌが目的地ではないが、避けて通れる道でもないので、コンペに呼んでいただいて良かった」と手ごたえをつかんだ様子だ。
晴れの舞台であるレッドカーペットについても、「監督として自分が赤じゅうたんを演出するならライティングはこうするなとか、流れはこうするな、などと思ってしまった」と大物らしい余裕をうかがわせた。三池監督に同行し、カンヌを初体験した瑛太は「(レッドカーペットでは)シリアスな音楽がかかっていたので、とても緊張しました。いずれまたカンヌに来て、インタビューをたくさん受けられるような俳優になりたい。すごくいい時間を過ごせました」と笑顔を見せた。
ロバート・デ・ニーロ審査委員長は、どのような“判断”をくだすのか。授賞式は、23日未明(日本時間)に行われる。
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