高畑勲、フレデリック・バック展開催「時宜にかなっている」
2011年4月19日 18:37

[映画.com ニュース] 7月2日から東京都現代美術館で開催する「フレデリック・バック展」の発表会が4月19日、東京・汐留の日テレホールで行なわれ、バック氏の長女スーゼル・バック=ドラボーさんをはじめとした展覧会関係者のほか、バック氏を師と仰ぐスタジオジブリの高畑勲監督が登場した。
カナダのアニメーション作家であるバック氏は、温かみのある画に人間と自然とのかかわりや環境問題などのメッセージを込めた物語を描き、高い評価を得ている。荒れた大地に黙々と木を植え続ける男を描いた「木を植えた男」、1脚のロッキングチェアを通し、ケベックの文化や現代文明批判までを描いた「クラック!」で2度のアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞している。
高畑監督は、約30年前にバック氏の作品と出会い、その作風を参考に「ホーホケキョ・となりの山田くん」を製作したという。「未曾有の東日本大震災と大津波、そして恐るべき原発事故災害に見舞われたこの日本で、バックさんの作品を改めて見直す時ではないかと思う。バックさんは常に、自然と人間の営みの在り方を見つめ、人がどう生きるかについて考え、文明の行きすぎには警鐘を表し、根本のところからメッセージを発し続けてくれた。これからの日本をどう作り上げていくかについて、再検討を迫られている現在、フレデリック・バック展開催はまさに時宜にかなっている」と力強く語った。
スーゼルさんは、「父と私はこの企画が日本で誕生したことにとても心打たれています」と感無量の面持ち。そして、「父の作品に込められたメッセージが再び希望をもたらし、自然の厳しさと人間の手で作られた核エネルギーの脅威に見舞われた現在の状況に、少しでも変化を促せることを私たちは心の底から願っています」とメッセージを送った。

バック氏の展覧会としては世界最大規模となる同展では、バック氏の作品に対する思いと波乱万丈の人生を映像、原画、スケッチ、コンセプトアートなど1000点以上の作品とともに紹介。また、展覧会開催に合わせて、バック氏の9作品を高畑監督の監修で収録したDVD「木を植えた男/フレデリック・バック作品集」(3990円)を、三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー最新作として7月20日から発売するほか、東京・神保町シアターで「木を植えた男」など4作品を上映する。
「フレデリック・バック展」会期は、7月2日~10月2日、開館時間は午前10時~午後6時。
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