ゆうばり映画祭グランプリは予算35万円の韓国映画
2011年2月28日 09:55

[映画.com ニュース] ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2011のクロージング上映&閉会式が2月27日、メイン会場となるアディーレ会館ゆうばりで行われた。
クロージング作品として上映されたのは、竹野内豊・水川あさみ共演の「大木家のたのしい旅行 新婚地獄編」。メガホンをとった本田隆一監督は、同映画祭2001年度のグランプリを受賞した縁がある。映画祭の顧問をつとめる品田雄吉氏は、「夕張に縁のある監督の作品がクロージングに選ばれてよかった。今度は夕張を舞台にしてほしい」とエールをおくった。
本田監督は、「突飛な脚本をどう映像化するか戸惑ったけれど、どんな地獄にしようか悩みながら撮った」と語った。審査員も務める片桐はいりは、竹野内と水川が演じる新婚夫婦を地獄へ案内する役どころを熱演。完成した地獄の映像を見て「あの温泉には入ってみたいですね」と笑みをたたえながらアピールを忘れなかった。
ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門のグランプリは、韓国映画「エイリアン・ビキニの侵略」(オ・ヨンドゥ監督)が受賞。林海象審査委員長をはじめとする5人の審査員は、口をそろえて「すべてが素晴らしい出来で、接戦だった」と対象となる9作品を称賛した。グランプリを戴冠したオ・ヨンドゥ監督は、「みんなに支えられてできた作品。ありがとうございます! 200万円の賞金をもとに新作を撮れることが何よりもうれしい」と感無量の面持ちで喜んだ。
同作は、日本円にして約35万円という低予算で製作された。林審査委員長は、「映画のクオリティは予算に関係ないことをこの映画が証明してくれた。予算は低くても愛情と情熱は高い作品」と絶賛。「ピンクスバル」(小川和也監督)は、シネガーアワードと審査員特別賞の2冠。また、「バイオレンスPM」(石原貴洋監督)が北海道知事賞を受賞した。受賞こそ逃したものの、「ストーリーもキャストも技術も卓越していた」と審査員のティム・リーグをうならせた「体温」(緒方貴臣監督)は、ティム審査員がディレクターをつとめるテキサス・ファンタスティック・フィルム映画祭への招待が決定した。
累計観客動員は、2月28日現在で1万1085人。
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