井上真央、裸でぶつかった「八日目の蝉」完成に感無量
2011年2月28日 15:40
[映画.com ニュース] 角田光代の人気小説を映画化する「八日目の蝉」の完成会見が2月28日、都内のホテルで行われ、角田をはじめ、主演の井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子、メガホンをとった成島出監督が出席した。
父親の不倫相手だった誘拐犯・希和子(永作)に育てられるという数奇な運命を背負った主人公・恵理菜(井上)が、月日を経て自らも不倫相手の子どもを妊娠。かつて希和子と暮らした思い出の地・小豆島におもむき、過去と向き合う姿を軸に、母性とは何かを問いかける。
井上は、複雑な内面を抱える難役に「ちょうど何かに挑戦したい時期だった。日々、壁にぶち当たり苦戦したが、運命のようなものを感じていたし、裸でぶつかっていった」と自ら新境地へと歩み出た心境を述懐。撮影中は、「幼いころに誘拐された役だし、常に内へ内へ気持ちを持っていった。ただ監督からは『逆に恵理菜の生命力が見たい』と言われ、どう演じたらいいか難しかった」という。それだけに、「撮影が終わった後は、ようやく開放されるんだって気持ちでうれしかった」と感無量の面持ちだった。
一方、永作は劇中、自らの手で地毛を20センチ以上切り落とす体当たり演技を披露したが「切るしかなかったんで、迷いもなく……。こんな機会でもなければ短くすることもなかったし、さっぱりして良かったですよ」。出産後、女優復帰作となり「最初は休むつもりだったが、避けては通れない役だと直感した。多少でも赤ちゃんの扱いを知っていたから、本当に良かったと思う」と振り返った。
原作者の角田は、「小説と映画は別ものだと思っていて、先日拝見した作品はもう泣けて、泣けて(笑)。今この場で皆さんとご一緒できて、また泣いてしまいそう。魂の開放を描いた映画に仕上がったと思う」と太鼓判。成島監督は「キャスティングは直感。井上さんは以前から強い目にひかれていた。永作さんは実際に母になったことでの化学反応が見たかった。小池さん、森口さんを含めてこのメンバーで撮れて良かった」と満足そうに語った。
「八日目の蝉」は、4月29日から全国で公開。