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人気作家・海堂尊、「ジーン・ワルツ」で描いた産婦人科医療の現実

2011年2月4日 15:43

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著書が次々と映画化されている人気作家
著書が次々と映画化されている人気作家

[映画.com ニュース] 「チーム・バチスタの栄光」「ジェネラル・ルージュの凱旋」などで知られる、ベストセラー作家・海堂尊氏の9作目の長編小説を、菅野美穂主演で映画化した「ジーン・ワルツ」が間もなく公開される。今回の主人公は、顕微授精のスペシャリストである女医、曾根崎理恵(菅野)。曾根崎は、大学病院という体制に背を向け、廃院寸前の産科医院で、ある大胆な計画を実行する。

日本の産婦人科医療の現実をあぶりだした本作。海堂氏は、「医療をテーマにした小説を書いている身として、この問題はいつか取り上げようと思っていました」と語る。完成した映画の感想を、「私は原作と映像は切り離して考えています。演じるのは生身の人間ですから」と前置きしたうえで、「主人公の女医の心情、出産に対する家族の心情がとても胸に響きました。菅野さんが演じる曾根崎の戦い方はしなやかで、男の戦い方とは違い真正面からぶつからない。女性らしい優しい医者という印象を受けました」と明かし、菅野版・曾根崎にほれ込んだ様子だ。

ここ数年、出産難民に関する報道が女性の危機感を募らせる一方で、ホテルのような病院でのセレブ出産や、助産師付き添いで産む自宅出産がメディアで取り上げられるなど、出産の選択の幅は広がっている印象も受ける。海堂氏は、元医師の立場から「産院不足の報道も出産の選択肢があるということも、すべて現実なのです。現実というのは多様でわい雑なもの。多様性を知識として得ているだけで、状況を客観的に見ることができます。多様性とは豊かということ。豊かな社会を目指していくことが大切なのです」と説く。

また、国会でも議論されている代理母の問題については、「私個人としては、外国で認められていることが、日本で議論なく禁止されるのは納得がいきません。日本は議論なき社会なので、なんとなく雰囲気で進めていくことが多いですが、もうそういったやり方は限界に来ているのではないでしょうか」と意見。そして、「この映画を見て、観客のみなさんに現実を知っていただくことが、変化への追い風になれば」と期待を語った。

医療を題材にした作品、特にドラマはアメリカでも数多く制作され、隆盛を極めているが、海堂氏は「医師として働いていたころ、テレビで『ER 緊急救命室』を放送していたんです。とてもよくできたドラマだと思うのですが、見ていたらそわそわしてきちゃって(笑)。“おい、そこの研修医! データをとってこい!”なんてセリフに、思わず立ち上がりそうになりました。自宅でお酒飲みながら、そんな気分になりたくないですよ」と苦笑いを浮かべた。

「純粋な視聴者の気持ちになれない」と、職業病ともいえるエピソードを披露しながらも、医療現場を描いた作品が人気を集める理由を「病院という場所が、身近な異世界だからだと思います。ドラマチックだし、生死の世界がそこにある。誰もがそこに足を踏み入れる可能性があるからこそ、人々をひきつけるのでしょう」と分析した。

ジーン・ワルツ」(大谷健太郎監督)は、菅野のほか、田辺誠一大森南朋浅丘ルリ子らが出演。2月5日から全国で公開。


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