T・ギリアム監督「ドン・キホーテ」、またしてもクランクインできず
2010年9月9日 11:25
[映画.com ニュース] テリー・ギリアム監督が長年あたためている悲願の企画「ドン・キホーテを殺した男(The Man Who Killed Don Quixote)」が、資金上の問題でクランクインできなくなっていることが分かった。
開催中の仏ドービル・アメリカ映画祭に出席したギリアム監督が、米バラエティ誌の取材に対して、「約1カ月半前に出資者との交渉が決裂した。本当なら、いまごろ撮影中だった」と明かしたもの。
同作は、2000年にいったんクランクインしたものの、さまざまなトラブルに見舞われて製作中断にいたったいわくつきの作品。そのてん末は、ドキュメンタリー映画「ロスト・イン・ラ・マンチャ」(02)にも描かれた。ギリアム監督は、同作を再撮影したい意向を昨年から表明しており、オリジナルでジャン・ロシュフォールが演じる予定だったドン・キホーテ役にロバート・デュバル、ジョニー・デップが演じる予定だった、中世にタイムトラベルをしてドン・キホーテに出会う現代の広告クリエイター役にはユアン・マクレガーが決定している。
しかし、まだ希望を捨てたわけではないそうで、ギリアム監督は「キャストも降板していないし、新たな出資者を探しているところだ。『ドン・キホーテ』は、自分に何かを楽しみにするという喜びを与えてくれる。もしかして、いちばん恐ろしいのは映画が完成してしまうことかもしれないね」と話した。