桃井かおり、日本人クリエーターに辛口エール
2010年6月21日 12:01

[映画.com ニュース] 米アカデミー賞が公認するアジア最大級の国際短編映画祭で、今年12回目を迎える「ショートショート フィルムフェスティバル 2010」のアワードセレモニーが6月20日、都内で行われ、オランダ作品「Vera/ミュージアムとショコラ」(トマス・コルタレス・アルテス監督)がオフィシャルコンペティションのグランプリに輝いた。
同作は美術館で働く孤独な女性ヴェラが、自宅の玄関先に寝入るホームレスの男性に救いの手を差し伸べる約10分間の短編で、今回グランプリを受賞した結果、米アカデミー賞短編部門のノミネート選考対象になった。
公式審査員を務めた女優の桃井かおりは、「世の中には音楽でも文学でも表現できないものがあるからこそ、映画が存在する。ヒロインの肌触りや感情が手に取るように実感できる作品。女優さんがストーリーを引っ張る作品に賞を贈ることができて桃井としてもうれしい」と絶賛。来日中の主演女優、ビェン・ペ・モアーは「人生には驚くべきことが起こるもの。昨日来日したばかりですが、もう日本に恋しています」と喜びを語った。
オフィシャルコンペティションのグランプリは、「インターナショナル部門」「アジアインターナショナル部門」「ジャパン部門」から各1作品を優秀賞として選定し、その3作品から選出される。今年は「ジャパン部門」において、05年の賞創設以来初めて、優秀賞の該当作品なしという事態となった。桃井は「もっと勇気のある日本人クリエーターの登場に期待したい。『冗談じゃねー』という気持ちでリベンジしてほしい」と辛口エール。桃井らとともに審査を行った行定勲監督も「インターナショナル部門、アジア(インターナショナル)部門の作品が力強かった分、そこに日本の作品を並べるとちょっと落ちるぞって思った。映画祭を続けていくための突破口になる作品に出合いたかった」と歯がゆさを隠さなかった。
なお、「ジャパン部門」では急きょ、奨励賞が設けられ、「A Sweet Chamber Music/家族のしらべ」(山本亜希監督)が受賞した。
一方、実行委員長である俳優の別所哲也は、「厳しくもあり、愛情あるエールをいただいた。映画祭は今年で12歳。思春期を迎え、これからは思い悩みながら、一歩一歩育っていく映画祭でありたい」と決意を新たにしていた。
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

キャンドルスティック
【予告編だけでこんなに観たくなること…ある!?】阿部寛、10秒でAIを騙す――狂おしいほど面白そう
提供:ティ・ジョイ

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった“1秒”で爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

すさまじい“魂震作”だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント