「パリより愛をこめて」監督が語る、中年スターのアクションに強いこだわり

2010年5月14日 17:03


名作映画へのオマージュにも注目
名作映画へのオマージュにも注目

[映画.com ニュース] 世界中で大ヒットを記録したリーアム・ニーソン主演「96時間」に続くピエール・モレル監督の新作「パリより愛をこめて」が5月15日から公開される。前作同様、仏パリを舞台に、様々なガジェットや車が登場するアクション映画ファン必見の作品に仕上がっている。

「アクション映画はこれまでにいろんな形でたくさん作られているから、“いかに新しいものを出せるか”という点に喜びがあるんだ。よく自分で自分のことを“永遠の思春期”って人には言ってるんだけど、小さいときに遊んだヒーローごっこを今でもしている感覚だね。子どもが遊ぶように、いろんな車や武器を登場させたり破壊したりして、自分が楽しみながら映画を作っている、まさに子どものころの夢を形にしているような感じさ」

舞台と同じく、主演にも再び中年ハリウッドスターのジョン・トラボルタを起用。中年スターにこだわる特別な理由があるのだろうか?

「若い男性のアクションというのは誰もが普通に期待するから、いい意味での裏切りというか、サプライズの意味をこめてのキャスティングだったんだよ。もしアクションができそうな若いスターをキャスティングしていたら、『パリより愛をこめて』も『96時間』もそこまでの驚きはなかったと思う。それ以外でも、彼ら2人を起用したのは、物語としてもキャラクター的にも辻褄(つじつま)が合っていて、どちらの役も人生経験値が高くいろいろなことを知っている大人の男の役だったからで、若い男性だったらこういう役は無理だっただろうね」

本作でも製作・脚本を務めたリュック・ベッソンのもとで、撮影監督として頭角を現したモレル監督。師匠ベッソンとは強い信頼関係で結ばれているという。

「これまで10年間、いろいろな形で彼とは組んできたから、お互いのことをよく分かり合っている関係なんだ。僕はリュックの監督作品で撮影監督をしたこともあるし、すごく特別な関係だし光栄なこと。脚本家として、製作者として彼のことはとても信頼しているし、僕のことも監督としての判断力を含め信用してくれてるといいんだけどね。リュックとの映画作りはとてもシンプルで、まずこんな映画にしようと企画を議論して、それからは方向性さえ決まればもう丸投げというか僕の好きなように作品を作らせてくれる。実際製作中には、あまり会ってないんだ。お互い信頼しあっている関係で、監督としてはすごくやりやすい環境だったよ」

これまでに手掛けた作品のジャンルはアクションのみだが、アクション専門の監督になりたいわけではないそうだ。

「今のところアクションしか手がけていないし、僕がアクション大好きっていうのもあるけど、キャラクターが何を思い、どんな旅路を経るのか、どんなことを経験するのかをしっかりと描くことができるならアクションじゃなくても構わない。ストーリーや脚本が自分にぴったりとくるものがあったらやってみたいし、実際今温めている企画のうち、アクションではないものもあるんだ。アクションだけの監督として知られたくはないし、映画はそれだけじゃないと思っているから、魅力的なストーリーやキャラクターを中心に考えて映画を作っていきたいね」

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