沢尻エリカは血祭りにされた現代のヒーロー?井筒監督がヒーロー論
2010年5月12日 18:48
[映画.com ニュース] 井筒和幸監督の3年ぶり最新作「ヒーローショー」の公開記念トークショーが5月12日、東京・池袋のサンシャインシティ噴水広場で行われ、井筒監督、主演を務めた人気漫才コンビ「ジャルジャル」の後藤淳平と福徳秀介、ヒロインのちすんが出席した。
同作は、夢をもてずに中途半端な日々を送るフリーターのユウキ(福徳)と、元自衛官で調理師免許取得を目指す勇気(後藤)の2人が、思いがけない事件に巻き込まれ、次第に暴走していく姿を描く。過激な暴力やセックスを描いてR15指定を受けた青春ストーリーだ。
劇中、ユウキがアルバイトで出演し、事件のきっかけとなる「電流戦士ギガチェンジャー」のヒーローショーにちなみ、福徳はギガチェンジャー・レッドの衣装で登場。お笑いタレントの椿鬼奴が悪役として乱入しイベントを盛り上げた。
井筒監督は、「こんなアホなショーを描いているわけじゃないけど、その裏にあるいろいろなことが出ている。世の中、暴力がはびこっているから、そんなら一度徹底的に見てみればという思いでやった。タイトルも含めて、かぶっている仮面を引っぺがす映画」とPRした。さらに、「現代のヒーローはマスコミが作り上げてる。祭り上げられて生けにえにされているだけ」と独自のヒーロー論を展開。報道陣から、沢尻エリカについてコメントを求められると「沢尻も一時は血祭りに上げられてたけど、彼女はめちゃくちゃうまい役者だし、また女優さんとして活躍してくれると思う」と話した。
一方、映画初出演の福徳は「芸人であることを忘れて真剣に芝居した」。後藤も、元自衛官役とあって体作りを入念に行い、「もうすぐ公開なので、いまは達成感です!」と胸を張った。井筒監督は、2人の起用について「吉本興業製作の映画だから。よその会社で作ってたら使ってないよ。はんにゃを使おうか迷ったけど、おまえらにした。なんかおごれよ」と井筒節で愛情表現。そして、「なんでこの2人なのかは映画を見て確かめて」と観客に語りかけていた。
「ヒーローショー」は角川映画配給で、5月29日から全国で公開。