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阪本順治監督、「KT」製作時に「尾行された」

2010年4月22日 21:54

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キワどい話が続出
キワどい話が続出

[映画.com ニュース] 全国の映画館スタッフが、2009年の公開作品の中からメジャー、インディペンデント、自館での上映の有無区別なく最も輝いた映画を選ぶ「映画館大賞2010」。4月22日、東京・渋谷のシネマヴァーラ渋谷で特別部門「あの人の1本」で選ばれた「ポチの告白」が上映され、選定者の阪本順治監督と同作のメガホンをとった高橋玄監督がトークイベントを行った。

ポチの告白」は、上司に言われるがまま手を汚し、悪徳に染まっていく巡査(菅田俊)の姿を通して、警察内部のやみとタブーに迫った社会派エンターテインメント。

阪本監督は、選定理由について「まさしく菅田俊のスター映画。脇役たちも与えられた設定の面(つら)や物言い、歩き方をしていた。作り手の“劇映画として何ができるか?”という挑戦に感銘を受けました」と絶賛。高橋監督も撮影に際し、俳優とのコミュニケーションを重視したようで「リハーサルに3~4カ月も費やした。しょっちゅう飲みに行ったけど、気づくと刑事一課だけで飲みに行っていましたよ。いわゆる“ごっこ”をしていく中で、職業俳優と新人俳優の差が縮まっていく。その過程が楽しかった」と振り返った。

反権力やタブーをエンターテインメントとして描くという点において共通している2人。上映には圧力がつきもので、「金大中拉致事件を描いた『KT』のときは尾行されましたね。ほかほか弁当までついてきて(笑)。完成披露試写会には、拉致された側、かかわった側双方の人間も来まして、1階と2階に別れて座ってもらいました」(阪本監督)、「地方上映時には映画館の周りをパトカーが走っていて。えん罪を主張する人が『今度はオレの映画を撮ってくれ!』と言ってきましたよ(笑)」(高橋監督)とそれぞれきわどいエピソードを明かし、会場を沸かせた。

さらに、阪本監督は「『闇の子供たち』のとき、『ドキュメンタリーで撮った方が良かったのでは?』と言われた。でも、少女が捨てられ、そこから逃げ出し、自分の故郷に帰っていくという女の人生の一部をオンで撮ることは僕にはできない。劇映画だからこそできることに自信をもってやっていきたい」と断言。5月29日公開の新作「座頭市 THE LAST」については、「バジェットは大きいけど、作風は何も変わってません!」とPRしていた。

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