武田鉄矢&山田洋次監督33年ぶり“再会” 高倉健から速達で手紙も到着

2010年4月7日 20:09


健さんも一緒
健さんも一緒

[映画.com ニュース] 山田洋次監督の代表作を33年ぶりに色あざやかによみがえらせた「幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター」の公開記念試写会が4月7日、東京・築地の東劇で行なわれ、山田監督と同作で映画初出演を果たした武田鉄矢がトークショーに出席した。

同作は1977年10月に公開され、第1回日本アカデミー賞で8冠に輝くなど各映画賞を独占した大ヒット作。任侠映画のスターだった高倉健を主演に迎え、刑期を終えて出所した男が、偶然出会った若いカップルに後押しされて妻のもとへ戻る姿を描いた感動作だ。

ふたりが公の場で顔をそろえるのは実に33年ぶり、2ショットにいたっては初めてのこと。武田は、「僕にとってはこの映画から何もかもが始まったんです。この役を演じてから芸能界で食えるようになったんですから。生活苦から解放してくれた、僕にとってはこの作品が『黄色いハンカチ』そのものです」と振り返った。

この日は欠席したものの、高倉から速達で祝福の手紙が届き「山田監督、鉄矢くん、34年前の撮影当時のことを色々と思い出しています。この年月を経て、また上映していただけるのは大変うれしいことです」と文面を読み上げた武田は感慨深げ。撮影当時を振り返り、「僕は素人俳優だから、監督にいつも怒られていましてね。健さんが『お前、大変だったな』となぐさめてくれるんですよ。それで『オレばっかりいじめるんですよ』と愚痴(ぐち)をこぼしたら、『伸びないやつはしごかねえよ』と言ってくれて……。宿まで泣きながら帰りましたよ」と明かした。

山田監督は、武田を起用した経緯について「海援隊のLPのジャケットに映る足の短い青年を見て、『これだ!』と強烈な印象を持ったんです。見事に当たりましたね。選んで良かった」と話し、武田を喜ばせた。高倉についても、「赤坂の旅館でオファーを出したら『やります! 体を空けますから。今日はとってもいい日です』と言って飛び跳ねるように帰っていったのを覚えています。健さんがやると言ってくれれば、僕はまた喜んでやりますよ」と思い入れたっぷりに語った。

松竹配給の「幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター」は4月10日から、「イエロー・ハンカチーフ」は6月26日から全国で公開。

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