満島ひかりと中村映里子が“逆キャスティング”で挑んだ「カケラ」

2010年4月2日 17:16

語る映画じゃなくて、感じる映画
語る映画じゃなくて、感じる映画

[映画.com ニュース] 数多くの撮影現場で経験を積んだ奥田瑛二の長女・安藤モモ子が、桜沢エリカの少女コミック「ラブ・ヴァイブス」を映画化した初監督作「カケラ」。恋愛とは形容しがたい微妙な女の子の関係性を繊細に体現し、数々の国際映画祭で注目を浴びた満島ひかり中村映里子の2人に話を聞いた。

心の通じ合わない彼氏との関係に疑問を抱く女子大生のハルは、不思議な魅力を持つ少女リコと出会う。ハルに大胆なほど好意を寄せるリコは人体のパーツを作るメディカルアーティストで、ハルはリコとの時間に安らぎを感じながらも、自分の本当の気持ちが分からずにいた。

世界各国で絶賛された園子温監督作「愛のむきだし」(08)で鮮烈なイメージを残した満島は、前作とは印象の異なる演技で再び観客を驚かせる。「私、初めは、絶対リコ役だと思っていたんです。監督が『“逆キャスティング”にしたかった』と話していました。ただ、私は与えられた役に常に全力で挑むだけ。そして腑(ふ)に落ちないことがあれば納得いくまで監督と突きつめたい。だから、よく“面倒くさい”って言われました(笑)」

そして、もう1人のヒロインを務めた中村は「とにかくいっぱいいっぱいだった。この作品に私の欠けているところをグサッと突き止められた気がする。これから役者としても、人間・中村映里子としても、人生をどう生きようかと考えさせられたし、追求していきたいと思った」と本格的な映画初出演を経て、役者としての高いハードルを1段越えたようだ。

また、満島は新鋭・安藤監督の独特な演出スタイルについて「私に対しては基本的にただ見ているだけで、あまり演出らしいことをしてくれなかった。でもそれは監督の狙い。もともと監督とは通じ合うところが多いので、安心させすぎると、私が葛藤(かっとう)しなくなってしまうと思ったんでしょうね。だから実際はすごく仲良いけど、現場では『性格悪いなあ』と思っていた(笑)」と正直な気持ちを吐露。そして、「『カケラ』の取材は困る。何かを語る映画じゃなくて、感じる映画だから。撮影中もどこか夢の中みたいだった」と振り返る。

中村も、「監督は私の中の芯のような強い部分を引き出そうとつきっきりで演出してくれたけど、それは精神的にも肉体的にもすごく辛かった。かわいく笑ったりすると歯茎にリップクリーム塗られたりして(笑)」と過酷だった撮影中のエピソードを明かした。「ただ、そのおかげか、現場でハルのことを本当に好きになれたんです。満島さんが私の知らない男の人の話をしていると、なぜだかムっとするくらい(笑)。そのとき、『あ、ハルに恋をしているんだ』と実感できた」

カケラ」はピクチャーズデプト配給で、4月3日よりユーロスペースほかにて全国公開。

(映画.com速報)

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