新鋭・佐向大監督の異色青春映画「ランニング・オン・エンプティ」
2010年2月19日 17:12

[映画.com ニュース] 06年に自主映画ながら高い評価を受け、一般公開となったロードムービー「まだ楽園」を発表し、続く08年には死刑に立ち会う刑務官を葛藤を描いた吉村昭原作の人間ドラマ「休暇」(門井肇監督)の脚本を手がけた、佐向大の商業映画監督デビュー作「ランニング・オン・エンプティ」が、今週末より公開となる。3年ぶりの監督作となる本作はコメディでもあり、サスペンスでもあり、シリアスドラマでもあるというジャンル分けが不可能な異色作となった。
「当初は『ダメな男が女のために走る映画』を作りたいというプロデューサーからの要望で、狂言誘拐にコメディの要素を絡めた軽めの物語だったのですが、最終的には、もう少しヘビーかつダークな、異物感のある映画になったと思います」
工業地帯と隣接した街を舞台に、だらしない男たちが、ひとりの小娘が仕掛けた悪ふざけによって振り回されるストーリー。佐向監督は、本作の舞台を「どこにでもあるような街に見えながらも、世界の果ての雰囲気が漂う画にしたかった」という。
「ある種の“断絶”を感じさせるような街を探すのに苦労しましたね。ロケハンは東京、神奈川、千葉を回って、最終的には京浜工業地帯のある川崎をメインに撮影しました。首都高速湾岸線から見える工場群は、以前から撮りたいと思っていて、主人公たちが住む閉ざされた世界と外部を隔てる壁のような役割を果たしてくれました」
その閉ざされた世界のなかで起こる物語は、ミニマムでありながらもスケールを感じさせ、リアルな空気感とアブノーマルな人間関係が混ぜ合わさり、予想もつかない方向へと転がっていく……。
「バラバラな要素をいかに組み合わせるか苦心しましたが、正直にいうと、ストーリーを破綻させてしまっても構わないと思ってました。自分は『まあまあ面白い』と言われるくらいなら、『なんだこれ?』って言われたほうがうれしいと思うところがあるんです(笑)。決してまとまりのあるストーリーではないので、エンドロールの最中にちょっとソワソワすると思うのですが、その異物感を噛みしめて劇場を後にして欲しいですね」
「ランニング・オン・エンプティ」は2月20日より、池袋シネマ・ロサにてレイトショー。
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