フランスの人気作家の映画監督デビュー作「ずっとあなたを愛してる」
2009年12月25日 19:08
[映画.com ニュース] 世界30カ国で訳された「灰色の魂」や「リンさんの小さな子」で知られるフランスの人気作家フィリップ・クローデルの映画監督デビュー作「ずっとあなたを愛してる」が、今週末より公開される。幼い息子を殺した罪で長年服役していた女性ジュリエットが、妹の家族と暮らしながら、固く閉ざされた心を開くまでの再生の軌跡が描かれる人間ドラマである。
「観客としては、アクションやサスペンスも見れば、コメディ、ホラーなどさまざまなジャンルの映画を見ます。しかし、観客として映画に接するのと、監督として映画に接するのではまるで違います。しかも今回は最初の監督作品なので、より人間や人生に身近なものを描きたいと思いました。そして私たちが抱えている不安感などを反映させたいと思ったのです」
そんなクローデル監督が本作で掲げたテーマは「家族とは何か」。家族の存在が、ひとりの人間に与える影響の大きさを、姉妹が共有する記憶や2人の関係を通して問いかけたかったという。
「ジュリエットは家族の効用を初めは信じず、自分のからに閉じこもって誰にも話そうとはしませんでした。劇中、ジュリエットが妹レアに対して『あなたたちに何ができたって言うの? あなたがいたからといって息子を救えたとでもいうの』と激しく怒りをぶつけるシーンがありますが、僕の考えでは、息子のことは救えなかったとしても、レアが一緒にいるだけで、ジュリエットにとっての支えになることは出来たと思うのです。つまりは家族や友人の存在がひとりの人間に生きる希望を感じさせたり、信頼感を感じさせる役割を果たしているということです」
小説家として名を成したが、学生のころには数本の短編映画を作っていたというクローデル監督。創作の際には、あるイメージが浮かび、そのイメージに従って表現のフォーマットを決めるという。
「最初にひとつのイメージありき、というわけではなくて、どういうふうにシーンを並べていくことができるかが見えたときに、これは小説、これは映画と線引きができるのです。(そのイメージが)映画の場合には、どういうわけか光やセットが見えたり、音が聞こえてきます。そうなると小説としてその作品を書くことは出来ません。とはいえ、映画を作っているときに小説執筆の手法を活用している自覚もあり、その逆もまたあるのです。私にとって小説と映画の2つの表現はお互いに補完し合いながら作られているのだと思います」
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