「つむじ風食堂の夜」が八嶋智人にもたらしたもの
2009年11月13日 18:48

[映画.com ニュース] 吉田篤弘の人気小説を篠原哲雄監督が映画化する「つむじ風食堂の夜」が、11月21日に公開される。同作で「秋深き」に続く主演2作目に挑み、主人公の「わたし」を演じた八嶋智人に話を聞いた。
原作者の吉田は、「わたし」の人物設定を執筆する際に八嶋をイメージしたという。変則的ではあるがアテ書きされた役を演じた八嶋は、「すごくラッキーなこと。撮っているときは考えている余裕もありませんでしたが、初号試写でお会いしたときに『大丈夫でした?』とは聞きました」と振り返る。
舞台は、懐かしい町「月舟町」にある風変わりな食堂。月船さらら、下條アトム、田中要次らが扮する常連客と織り成すハートウォーミングな群像劇に、「『わたし』っていう誰でもない役が、色々な人にだぶればいいなと思いましたね。周囲のキャラクターの個性が強くて『わたし』に刺激を与えてくれようとするので、あえて表現をする必要はないと考えました。僕は、刺激を受けることに対してウソがないように演じるということが一番重要だと思いましたね」と真摯に話した。
八嶋にとっては、「ガメラ3・邪神覚醒」(99)で銀幕デビューを果たして以来、今回で映画出演12作目。コミカルな役からシリアスな役までを柔軟に演じ分けてきているが、「俳優って“お呼びがかかり待ち”の仕事だと思うんですよ。僕は基本的に求められれば何でも演じたい」とどこまでも自然体だ。それでも、「今回は完全に受身でいることが作品にとって重要だったから、『そこにいる』ということが大事だった。主演でも奇抜な役でも、ひとつひとつお呼びがかかるのを待ちたいですね。そのために、ずっと俳優でいたいなあ」と貪欲な姿勢を垣間見させた。
そして、篠原監督が丹念に作り上げた「つむじ風食堂の夜」は、八嶋に“謙虚さ”をもたらした。「今回みたいに刺激を受ける側に立つと、『ありがとうございます』って気持ちになるんですよね。僕、すぐに天狗になるタイプなのですが、共演の皆さんに本当に助けられた。共演した芹澤興人君がすごく面白い俳優なんですが、そういう演技を見せ付けられると以前は嫉妬の感情が先走っていたんですよ。ただ今回は、その芝居をどう受け止めようかと思えるようになりましたね」
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

死ぬ→生き返る→死ぬ→生き返る(繰り返す)
【究極の“死にゲー”】人類史上最低・最悪の“ブラック仕事”、爆誕――
提供:ワーナー・ブラザース映画

日本の映画料金は高すぎる…!?
【そんな人に朗報】衝撃の価格破壊!! 2000円→750円になる“神・裏ワザ”教えます
提供:KDDI

「イノセンス」4Kリマスター版
【時代が物語に追いついた】公開20周年記念、劇場“初”公開!“究極”の「イノセンス」が解放される
提供:TOHO NEXT

石門
就活中に妊娠、卵子提供のバイト、生活に困窮…壮絶、しかし共感する驚愕体験【100%超高評価作】
提供:ラビットハウス

35年目のラブレター
【感動実話に“とんでもない絶賛”の嵐】噂を聞きつけ実際に観てきたら…忖度なし正直レビュー!
提供:東映

ヤバい映画みつけましたよ
【監督のエピソードが異次元】面白すぎたので、映画を愛するすべての人に観てほしいと思った話
提供:Henge