奥田瑛二、「ちゃんと伝える」で共演のAKIRAに監督としてラブコール
2009年8月21日 12:00
[映画.com ニュース] 第59回ベルリン国際映画祭フォーラム部門でカリガリ賞と国際批評家連盟賞をダブル受賞した「愛のむきだし」も記憶に新しい、園子温監督の最新作「ちゃんと伝える」(8月22日公開)。父の病床を見舞う息子が自身も余命わずかと知って苦悩する衝撃の人間ドラマで、その父親役を演じた奥田瑛二が、息子役を演じたEXILEのAKIRAとの共演を経て、今度は自身の監督作での起用を考えていることを明かした。
「初対面で、この男は本物の映画俳優になれる!って唸りましたよ」と奥田はAKIRAを激賞。「若い俳優と仕事をする際、映画俳優として成立するかどうかという視点で、将来、成長してスターになっていくのかどうか、その素質に注目する。初対面から本読み、現場と時間を重ねるわけだけど、AKIRAはまず存在自体がすごいと思った」とベタ褒め。これにはAKIRAも照れ笑いを浮かべ、「EXILEのAKIRAを一度捨て、しっかりと映画の世界に浸らないとダメだと思いました。ハンパな気持ちでは映画を見てくれる人に失礼ですし、それこそ『ちゃんと伝える』ためには丸裸で勝負する必要がありました」と謙虚な心構えで俳優業に挑戦したことを語った。
本物の父子のように親しく話す奥田とAKIRAだが、「最初は緊張した」とAKIRAは出会った当時のことを振り返った。「ガッチガチでした(笑)。以前、だらしなく読み合わせをして監督に怒鳴られた過去がトラウマで、今回は真面目になりすぎて、本読みではパッキパキでした(笑)」と告白すると、それを聞いた奥田は、「彼は本当に面白かったな(笑)。セリフを正確にキッチリ話すので、そういう人なのかな(笑)」と笑みを浮かべ、「僕も新人時代は緊張して体をくねらせて本読みをしていて、よく怒られましたよ」と自分の新人時代を思い返した。
AKIRAに映画俳優としての資質を見抜いた奥田は、「切ないハードボイルド映画を撮りたい。傷つきながらも何か伝えようとする男。『ちゃんと伝える』で描いた親子の絆が映画活動のスタートで、今度は僕にしか撮れない映画でAKIRAの可能性を広げる」とAKIRA主演作の構想を語った。AKIRAも、「ぜひやりたいです。奥田さんの深さ、男としての魅力を見て、尊敬する人の下で自分を磨きたいと思いました」と快諾した。奥田はAKIRAにすでに話したそうだが、「何回も言っておく。実現するように(笑)」と本気でラブコールを送っていた。